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セブン&アイが外資規制上のコア業種に届出 - 2つの素朴な疑問


余談になりますが、副業の準備として名刺を作成しました

本日から3連休です。副業開始を本格検討するにあたって、先日、名刺を作成しました。とは言っても、まだ本格的に副業は始めておらず、これからチームメンバー探しをどうしようかなといった初期段階ではありますが、チームメンバー候補の方を探したり、また人と交流をする上で名刺があった方が何かと便利と思い(勤務先の名刺で交換する訳にもいかず・・)、氏名、このブログのタイトルである「コーポレートガバナンス・コンサルティング&パートナー」、メールアドレス、電話を記載しただけのシンプル版の名刺を作成した次第です。今後、人と交流する機会があればこの名刺で交換をして、幅広くネットワークを作りたいと思っています。

セブン&アイがコア業種に届出

さて、本題ですが、本日の報道のとおりセブン&アイが外資規制上のコア業種に届け出たようです。

セブン&アイは外資規制上の「指定業種(コア以外)」で財務省に届け出をしていましたが、コア業種に届け出を変えるということは、自分たちの事業の中には国家の安全に関わるような事業もあるということを意味しています。ちなみに、このコア業種の上場企業はたしか800社程度あるかと思います(もう少し多いかな?)

コア業種になることでどうなるの?

このNoteでも何度か記事を書いているので、ご覧になっている方もいるかも知れませんが、コア業種になると、海外投資家や海外事業会社がコア業種の企業の株式をする際に手続きが必要になります。

ごく単純に言うと、純投資目的以外で海外企業が1%以上の株式を取得する場合には政府が審査するということです。コア業種の認定を受けている事業に海外企業が口出ししたり、秘密情報にアクセスしたり、運営したりする場合には政府に事前に届け出て、審査を受ける必要があるということです。

このあたりは、これまでもnoteで記事を書いておりますので、詳細は以下の記事をご覧頂ければと思います。

今回のコア業種の届出に関しての素朴な疑問

素朴な疑問が2つあります。

それは、何故これまでコア業種で届出をしていなかったのかということと、買収提案を真摯に検討するならこの局面でコア業種の認定を受ける必要はあるの?です。それぞれ次のとおり少し詳しくお話をしたいと思います。

何故これまでコア業種で届け出ていなかったのか?

まずは、セブン&アイは事業内容に変更がないのに、何故今までコア業種で届け出をしていなかったのでしょうか?

新規に事業を始めたり、企業を買収したなどの理由でコア業種に該当する製品事業を始めた等の理由があれば別ですが、報道によるとそういうことはなさそうな感じです。

となると、これまでコア業種で届出ることが出来たが、担当者の何らかの手違いで届出業種に誤りがあったか、またはあまり深く検討せずにコア業種の届け出をしていなかったということでしょうか?気になりますね。

ちなみに、私は仕事でコア業種の届け出検討をした際には、社内の事業部門に外資規制の背景や趣旨を伝えて、結構、ど真面目にコア業種の製品特定などをしていましたが、コア業種認定企業が800社を超えると「こんなこと真面目に対応して何か意味あんの?」と思いながら、過去やっていました。

ちなみに、財務省は東証経由で、外資規制のコア業種の追加等がある場合には、全上場企業に対して調査票を送付しており、1~2ヵ月前に各社にもその調査票は来ているはずですが、その回答期限内にセブン&アイは回答したということでしょうか。

この局面でそもそも届け出が必要な理由は?

実はこちらの方が大きな疑問なのですが、どうして買収提案のあったこの局面でコア業種への届け出が必要なのでしょうか?ということです。

というのも、セブン&アイは今回の買収提案については企業価値を向上させるものであれば真摯に検討していると表明しているはずです。これをそのまま解釈をすれば、いちいちコア業種の届出などしなくても、真摯に買収提案が企業価値を高めるか否かを是々非々で検討すれば足るように思います。

この局面でコア業種認定を受けるということは、国になんらかのサポートを求めたいのかなと感じてしまう人も多いのではないでしょうか?もっとも、外資規制で政府がストップをかけるには、海外企業が買収した企業の経営等を行うことで「国家の安全等が害される」という極めて限定された局面に限定されるので、国の庇護やサポートは簡単に受けることは出来ないところではあります。

いずれにせよ、今回のコア業種認定がクシュタールによる買収提案にどういう影響を与えるのか気になるところです。

引き続き、開示情報や報道があった時点でアップデートしたいと思います。

以上になります。ブログを読まれてお気づきのことやご質問、ご感想など何かありましたら、コメント又はnoteのトップページの一番下の「クリエイターにお問い合わせ」からご遠慮なくご連絡頂ければと思います。