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東証が来年1月から株価を意識した経営の未対応企業の社名を公表します ー 未対応企業はひとまず何かを公表しておきましょう


東証は「早よせい!」といっています

本日は簡単な記事を1つ紹介します。つい先日、東証が上場企業に対して次を公表しました。「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業の一覧です。

https://www.jpx.co.jp/news/1020/20231026-01.html

正確にいいますとこの内容について、上場会社の各社に対して東証から通知がありました。私にも東証からしっかりと通知(メール)がありました。

株価低迷している企業を中心に、株価を意識した経営をすることの方針などを開示せよと東証が本年4月から上場企業に求めている中、未だに対応をしていない企業が多いので、東証がイラっとしているというところかと思います。次のように来年1月15日から社名が公表されるようです。成績の悪い子が学校で名前が張り出されるようなものですね。

対応を進めている企業の状況を投資家に周知し、企業の取組みを後押しする観点から、要請に基づき開示している企業の一覧表を公表 → 2024年1月15日に公表開始、毎月更新予定

企業はまずはさくっと対応しておきましょう

株価を意識した経営の考え等を開示していない企業は、来年1月からばれてしまいます。ということで、結構恥ずかしいですね。来年6月の株主総会で株主からつつかれるネタになります。単純な話ですので、さくっと対応した方がよいと思います。

今回の東証の通知では、「【資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応】」というキーワードがコーポレートガバナンス報告書に記載されている場合には「開示済」という扱いをするようです。つまり、内容が非常にしょぼくてもひとまず開示していることが分かれば良いのです。結構単純ですね。

他社例をいくつか見て、同じような文言で真似て記載しておけばひとまず足ります。もっとも、しょぼくても東証は何も言いませんが、機関投資家が「なんっじゃこれ」と文句を言う可能性はあります。だって、その企業の開示が妥当かどうかは機関投資家が最終的に判断し、改善を促すべきだからです。まあ、機関投資家の株式保有比率が小さいか、ほとんど保有されていない企業はそんな心配すらしないでも良いのだとは思いますが。

PBR1倍超え企業も開示が必要です

特に、見落としがちなのはPBR1倍超え企業も開示を求められている点です。うちの会社はPBRが1倍を超えているから開示しないで良いなどと思っているとよろしくないです。通知に次の記述があります。

他方で、⾜元の開示状況を⾒ると、PBRが低い企業を中⼼に開示が進展している一方で、PBRが⾼い企業では相対的に開示が進んでおらず、国内外の投資家からは、PBRが1倍を超えていれば今般の要請への対応は不要という誤解が生じているという指摘が寄せられています 。 既にPBR1倍を超えている場合であっても、株主・投資者の期待、国内外の同業他社との比較、PB R以外の資本収益性や市場評価に関する指標の状況などを勘案しつつ、更なる向上に向けた取組みにつ いて、積極的な検討・対応をお願いいたします

東証には株価の低い企業があまりに多いので、PBR1倍超え=合格と考えてしまう企業も多いですが、海外投資家から見たら「えっ!」ということです。PBR1倍超えは当然のことであり、更に2倍、3倍と目指して欲しいと考えているのです。ここをしっかりと認識する必要があります。