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55歳。友達からパンツ買った向こう側に見えたもの。

仲良し友達から、
「下着いらない?私、販売する事になって…」
と、
「買う買う。ちょうどほしいと思ってたとこよ。」
それはまあ、ネットワークビジネスみたいな感じだった。
店舗では売っていないので代理店という名の方が、試着用下着を詰め込んだアタッシュケースを持って家に訪れる。
私はどうせ買うなら少しでも友達のチカラになれればとお願いしたつもり。
「とりあえず、一回試着会だけ来て」
という事で、彼女の自宅に行った。
そこにいたのは、
私の友達。
友達の上の女性。
友達の上の上の女性。誰だよ笑

上の上の女性が、ガバッとケースを開いて手慣れた手つきで商品説明。
たわいもない会話を挟みつつ、どんどん試着させる。
私はネットワークビジネスアレルギーではないので、自分が納得すれば即買い。
ひとつ気になったのは、私の友達と、友達の上の女性の在り方。全てにおいてしどろもどろ…喋ってるのは大御所感ハンパない上の上の女性だけ。
商品は気に入ったのでたくさん購入しようと思ったけど、一回、別日に友達に真意を確かめてみた。

「本当にこの仕事を主軸にしていこうと思ってる?」

彼女の場合。
上の友達に頼まれて、昔、お世話になっていた恩もあるし、なんか断るの悪くて…
なるほど。

ては、ものすごい私が気になった、覇気ゼロの上の友達は?
子供さんがまだ学生時代、子供の関わるボランティア活動をバリバリやっていた。子供が大きくなると、その活動も自ずと引退して次の世代に引き継がなければいけなくなり、何もなくなった時に、上の上の女性に声をかけられてはじめてみたと。
はじめた頃は、お客さんもそこそこ獲得していたらしい。
「〇〇ちゃんのお母さんがオススメなら」って感じで。
しかし新規をなかなか獲得できない。
そこで、昔ご縁のあった
“頼まれたら断れない”私の友達に声をかけた。

その人は
“〇〇ちゃんお母さん”って肩書きがついてる時は、自信を持って前に出ていたのに、母親卒業して、個になった途端、自信が消えうせてしまった感じ。
相当自分に自信がないのだろう…
それが体全体から滲み出てる。
(私ははそうゆうの感じるタイプ。幽霊とか妖精とかは見えませんけど)

結局その人も、言われたら断れないタイプ。自信満々の人に
「あなたはこれやった方がいいわ!」
って言われたら断れない。

この世代のネットワークビジネスの縮図をみた。
なんでも自信満々にこなす人の下に、言われたら断れない人達がぶら下がっている。それもたくさん…
もちろんその中には成果を上げる人もいるだろう。
しかし多くは籍をおいてるだけ。
「今度セミナーあるから行くわよ」
って言われて断れずなんとなく参加。やってる感だけはなんとかだしてる。

そんな人達もはじめる時はささやかでもこんな気持ちがあったはず。

“私も何かしたい。自立したい。”

って。

SNSで、華やかな生活アップしている勧誘者。
“タイトル獲得。ご褒美クルーズ✨”
高級外車を颯爽と乗り回してる姿や、旅行写真を見ると、羨ましいし、自分もそうなりたいと一瞬でも思うだろうけど、

その仕事、本当にやりたいことか?

私もネットワークビジネス系何回も話を聞かされてきた。その時よく言われたのは、
“いつまで労働者でいるつもり?権利収入で自立して幸せに暮らしていこうよ”

社会貢献は労働者でもいいんだよ。

私の場合、ネットワークビジネスとは縁を切り、なんとなく楽しそうなパートの仕事を見つけた。そして4年目正社員雇用してもらえた。(54歳にして)

ここで私が得たもの。

安心感なんです。

自分自身の中に芽生えた安心感。
決まった日にきちんとお給料をもらえて、税金も保険もちゃんと自分自身で納められる。
社会貢献してるし、たくさんじゃなくても収入がある。自立してるって思える。

ネットワークにありがちな、
“この下着で世の中の女性を幸せに導く”
とか
“この理念で地球を救う”
そんな大それた目的なんて無くてもいい。

自分の中に安心感を与える。ただそれだけで人生は変わっていく。

無理してなにかしようとせず、目の前にある自分が好きな事を仕事にしてみればいい。
コンビニスイーツが好きならコンビニパート。
子供が好きなら、子供が集まりそうなお店のパート。
植物が好きならホームセンターのパート。
そこから何かに繋がっていく。

ノーと言えない世界に身を置いてる暇は私達にはない。子育てが終わって、これから自分の人生を楽しまなきゃいけないのだから。

もし友達が
“こうゆうの興味ある?一回お話会来ない?”
ときた時、興味がなかったらノーと言おう。それで疎遠になったらそれは友達ではないし、いらないご縁なのだ。

後日商品を届けに来た時、大御所が、
「LINE交換しませんか?」ときた。
「私は、LINEあまりやらないし見ないので」(交換する気無し)
「でも、商品の苦情とか付け方とか問い合わせしやすいと思いますけど」
(なんとかゲットしようとする大御所)
「苦情は直接電話しますので」
(バッサリ)

昔の私なら、断りきれずにLINE交換してたわ。笑

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