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私はもう社畜を辞めた

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

私にとって9月といえば、
月の早々に訪れる「結婚記念日」

結婚記念日とは
婚姻届を提出した日なのか、
結婚式を挙げた日なのか?

前者なら なぜ「婚姻記念日」でないのか?
後者なら 挙式をしない夫婦は
記念日がなくなるのか?

結婚が自分事になりそうになったあたりから
密かに気になっていたのだが、結果的に
「結婚式を挙げた足で婚姻届を提出する」
という手段を取ったので
私たち夫婦にとっては
どうでもいい話となった。

くだらない前置きは さておき、
私と妻は毎年の結婚記念日には
決まったお店で食事をすることにしている。

ところが一昨年の結婚記念日で、
私は情けない判断と行動をしてしまった。
その結果として、表題の話につながる。

今回はそんな話。


年に一度のお食事

結婚してから もう5年以上が経つ。

最初の2,3回は違ったが、
あるときから毎年の結婚記念日には
決まった飲食店に予約を取って
夕食を楽しむのが恒例になってきた。

その店は妻と2人で
初めて食事をした店である。
そのため、妻は毎年この食事を
非常に楽しみにしている。

正直 私は あまり記念日や祝い事には
関心がない人間なのであるが、
こればかりは日頃の感謝も込めて
毎年しっかりお祝いをする。

そんな平和なイベントに水を差されたのが
一昨年の結婚記念日であった。

因果な仕事

話は変わるが、
私は普段 会社員として生活している。
その仕事は工場の設備関連の技術者である。

私の勤める工場は
平日は24時間操業だから
退社後や夜中でも
生産設備が稼働している。

故に生産が ひっ迫していると、
たとえ休みだろうが就寝中だろうが
「機械が壊れたから、今から直しに来て!」
という電話がかかってくる場合がある。

ちなみに機械を動かす側の作業者は、
たとえ自分が機械を壊した張本人でも
「定時だから帰るんで、あと よろしく」
とばかりに帰ってしまう。

もちろん 世の全ての設備保全技術者が
こんな仕事だとは思ってはいないが、
なんとも因果な仕事に就いているものである。

判断を誤った あの日

この話の流れで
勘のいい方は気付いただろう。

そう、一昨年の結婚記念日のお祝い中に
件の電話がかかってきたのである。

「休みのところ悪いんだけど、
 まずは電話で相談に乗ってやってくれないか」

上司からの指示である。
別の技術者(同僚)が対応しようとしているが、
どうにも埒が明かないらしい。

私はどうも反射神経に難があるようで、
突然 電話で判断を迫られると
悪手を選んでしまうことが多い。

このときも そうだった。

「は、はぁ…。まぁ電話でなら…」

食事の席で仕事の電話をするのもなんだし、
要点を言って席に戻ればいいと考えた私は
いったん店外へ出て電話をした。

ただ、このときの電話の相手は
社内でも指折りの話の通じない人間であった。

こちらが1を言って
2か3という回答を求めれば、
訊いてもいない A,B,C を長々と喋りだし、
肝心の私の質問の答えは結局 返ってこない。

そんな相手との会話に次第に業を煮やし、
ついに最悪の手を選んでしまった。

「もういい、俺が行くから アンタは帰っとれ!」

自分が今日、何を大事にするべきかを
完全に見誤った判断である。

20分くらい経っただろうか、
ひとり待たされた妻のところへ戻ると
「食べるもんを食べたら会社に行く」
と言って、せっかくの食事を
かき込んで店を出た。

あのときの妻の表情は覚えていないし、
妻の気持ちを考えると思い出したくもない。

私が社畜だったばっかりに…

そんなことがあった結果、今までの中で
最悪の結婚記念日になってしまった。

いや、私が そうしてしまったのだ。

上司から電話を受けた あのときに
「今日は所用で対応できません」と
ひと言 言えば済んだ話だったのだ。

特にその日は休みだったし、
本来なら電話に出ることすら
強制される筋合いはなかった。

つまり、結婚記念日だというのに
会社からの電話に出たのも
出勤すると決めたのも
全て「私が」決めたことだったのである。

これまで同僚たちと冗談で
「俺たちは社畜だから(笑)」
とは言っていたが、
私は自覚なく本物の
「社畜」に成り下がっていたのだ。

さすがに次の日以降、
大きな後悔の念を抱いた。
そして私は決めたのだ。

「もうこんな惨めな思いをするのは御免だ。
 私はもう社畜を辞める。」

現実として、今もこのときと
同じ会社・同じ部署に努めてはいる。

だが、当時と今とでは
仕事に対する心持ちは大きく変化した。

「私は あくまで就業時間に
 賃金が発生しているから
 会社の命令に従っている」
「就業時間外には、
 たとえ上司に命令されても 従う道理はない」

そして そう遠くないうちに、
この会社・この仕事とも
縁を切ろうと考えている
…が、これはまた
長くなりそうなので別の機会に。

とにもかくにも
「会社員=社畜」ではない

そんな当たり前なことに やっと気付いた、
苦々しい結婚記念日の思い出である。

お読みいただき、ありがとうございました。


☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
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