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東京下町でタイ旅行気分。

今から9年前に住んでいた、東京の下町、曳舟にその店はある。
曳舟駅を出て、ヨーカドー側に向かって徒歩30秒ほどだった気がする。
掘っ立て小屋のような(失礼)怪しいたたずまいのお店には、
「ルアン・ナルモン」と「九龍」と二つの店名の暖簾がかけてある。
当時、私たち夫婦はこの店を「九龍(クウロン)」と呼んでいたが、実は店名は「ルアン・ナルモン」の方だと分かったのは通い詰めてずいぶん経った頃だった。

その「ルアン・ナルモン」はタイ人のおかあさんと日本人のおとうさんが切り盛りしているタイ料理居酒屋だ。
掘っ立て小屋の中にはテーブル席が確か5~6卓、とカウンター席もあり、
テレビ前の卓がお気に入りだった。
夏場は引き戸が少し開いているスタイルで屋台然としている。
トイレは鍵がドアノブについているタイプでいつも酔っぱらうと
鍵をかけたか心配になった。

席に着くと、ヤムウンセン・ムーヤンナントックとシンハービールを注文するのがお決まりだ。ヤムウンセンはパクチーの風味と辛さが最高でビールが進む。ムーヤンナントックはタイ風ポークグリル。魚醤の味付けで美味しい。ビールがなくなると次はウーロンハイ。これがもの凄く濃い。
そして次の料理はラープムーを注文。パクチーとひき肉のサラダだ。
こちらも辛さが癖になる一品。ひき肉とパクチーをキャベツに包んでばくばく食べる。そうこうしている間にウーロンハイ2杯目に突入。
パッタイ食べて少し口の中をマイルドにしたらそろそろ締めの料理を。
カオマンガイも一押しだが、トムヤムクンラーメンもオススメだ。

この「ルアン・ナルモン」は自宅から徒歩で行ける距離だったので、
だいたい金曜の20時~21時過ぎに仕事終わりに夫と店に集合して飲み始めていた。時間を気にせず飲める上に美味しいタイ料理と濃いウーロンハイの沼に当時どっぷりハマっていた。
店を気に入り過ぎて友人たちを何人か連れて行ったものだ。
「先週タイ旅行から帰ってきた」という友人夫婦を夏に連れていった時には友人夫婦にいたく感激され、その後その友人夫婦もその店の常連になっていた。なんでも「本場より本場っぽい!」とのことだ。

現在私たちは引っ越し地方に住んでいるため、なかなか「ルアン・ナルモン」に飲みには行けない。
子供が大きくなったら一緒に飲みに行きたい、思い出のおいしい店。
「ルアン・ナルモン」よ、あと14年は頑張っておくれ。

#おいしいお店

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