(1)足臭少女の彼氏になる
7月初旬に入り、蝉が鳴き始める季節になった。
僕の名前は安藤啓介、高校2年生だ。長い6限授業が終わり、今日は委員会のポスター作製の仕事のためもう1人の委員と教室に残って作業している。
「今日はあっついね~」
彼女の名前は赤橋比奈、明るい性格で頭もよく、クラスのみんなから慕われている存在だ。
「もう7月だもんな」
「ねー。今日めっちゃ汗かいてやばいよ」
「赤橋さん汗かくの意外だな」
「なにそれw当然でしょw何なら私汗っかきなんだよね!」
そんな話をしながら作業を進めていると
「ねえ、ちょっと上靴脱いでもいい?臭うかもしれないけどいい?」
「ああいいぞ。気にしないし」
正直この時の僕はそんな足の匂いがこっちまで届くまでないと思っていた。だが、彼女の足の臭いは僕の想像をはるかに超えていた。
「コホン」
足元からチーズのような香ばしい匂いが漂ってくる。その臭いにたまらずせき込んでしまった。
「ごめん!やっぱり臭かったよね・・・」
彼女は申し訳なさそうにこちらを見てきた。
「大丈夫だよ。全然臭くないよ」
「本当に?嘘はよくないよ?」
「いや、本当だって」
僕は必死になってフォローをした。すると彼女は顔を真っ赤にしてこう言った。
「じゃあ嗅いでみてよ」
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