ヴォイドロイド。
何度も焼き直した言葉は少しずつ色を失って。
どこにも届かない言葉を、ただ忘れないように呟いている。
誰とも交わらない、衛星軌道の上で。
色の無くなった言葉、色の無い世界。
未開拓の闇で満たした、行き場の無い世界。
ただ、かつて触れた暖かさにすがり付いているだけ。
いずれ自分を忘れたら、私はどこに行くんだろう。
想いを馳せる間も無く通りすぎたデブリが、いつか星になるように願いを込めた。
あわよくば、いつかの私もそこに居たら良いと思う。
星の運行は美しく、その不規則性ですら世界の終着へ向けた祈りだった。
それが分からないまま、ただ流れのままここに来てしまった。
だからこうして漂っている。
ただ闇は大きく、意味の無くなった私を運ぶ揺り篭を演じる。
醜い姿を許してくれるような、そんな優しさに少し居心地が悪くなった。
許されない遠くの星を想ってしまったから、なおさら。
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