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花園

典型的なよくある話
騙される方が悪いと思ってた、
よくある話。

まさか自分が。
詐欺に合ったような感覚だった

くれた言葉は全て嘘で
嘘を盲信して、自分の都合がいいように解釈して
久しぶりに感じる高揚感に溺れて
確かに感じてしまった違和感は蓋をした
見たくなかった
甘い蜜だけ吸って、都合がいいのはお互い様だった
最後までしっかり嘘をつかれて
とろけるような言葉で、あなたは呪いをかけて消えた

善悪の全てがどうでもいいと思った
筋なんて通さなくていいと思った
今さえ濃密な花の香りが立ち込めるあまいあまい木立に2人でいられれば、それでいいんだと、それが正解なんだと思ってしまった

無理矢理引き離された腕の傷はまだ疼く
花の香りは私の頭をダメにしたまま、
腕の傷の痛みだけは、心臓を貫くように体に響いて、
地獄のような現実に連れ戻す

息がね、ずっとできないの
あなたは相変わらず楽しそうね
今もどこかで、私ではない誰かと、
秘密の花園で踊ってるんだろう。
そこはあなたの場所だった。
私はただの訪問者だった。
2人のものでは決してなかった。

こんなことでも、お邪魔させてくれてありがとうと思えてしまう。悔しくて惨めな自分を、私は今日も抱えて生きています。私もとびきりの花園を作りたい。あなたよりも濃密な香りでいっぱいにして、誰も抜け出せなくなるような豪華な迷路も作って、離れられないような蜘蛛の巣をめぐらせる。
もう、寂しくならなくて良いような。

早くあなたがくたばりますように。


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