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ちょっと怪談

夏だ!!!!!!
暑い!!!!!!
少しゾワっとした体験談3つ書きます


1話「ウチ来なよ」

子供の頃は毎年お盆になると
祖母の実家に帰省していた。
長野の奥の方にあって自然豊か。
もはや自然しかねぇ。

親戚の子どもたちで夜中花火をすることに
街灯が無く、まっくら。
目の前に誰かいても分からないくらいだった。

懐中電灯だけを頼りに花火をつける。
しゅっと音を立てて、火薬の香りと
ふわりとした明かりが広がって、周囲が照らされる。

その視線のすみには、4歳の弟が
森に向かって何か話している。
「トイレかな?」と思った。
声に耳を集中させると

「ね、お姉さん可愛いね。ほんとかわいい
え~?ウチ来なよぉ~すぐそこだよぉ?」

漆黒の森に向かって
むっちゃナンパしてる
弟は生粋の女好きなので幼少期から
リアルしんちゃんなのだ。

これきっと
お持ち帰りしちゃいけないレディだ!
しかも、親戚の家に連れ込もうとしている

花火が消える。
弟の方へ懐中電灯を向けるのが怖い。

そっと近づき、
何も見えない森に向かって丁重に
「ウチの弟がすみません」と
いつもの調子で謝罪して、その場を後にした。

弟は「何してんだ!(邪魔しやがって)」とピーピー騒いでたが
こっちのセリフだよと思った

2話「かっこいい~!」

これは親戚がウチの母に話してるのを
盗み聞きした話。

親戚には可愛い男の子がいた。
愛嬌たっぷりで、東京タワー見上げて後ろにひっくり返る
おっとり系の当時5歳

仮にA君と呼ぼう

大阪へ家族旅行に行き
食べ物を堪能して、
色々見て遊んで、
思い出いっぱいの最高の旅だった。

そこでA君に、何が1番良かった~?聞くと
「仮面ライダー!とってもカッコよかった!」
「たくさん居たねぇ。また会いたいなぁ」
と目を輝かせて繰り返す。

イベント?どこかで見かけた?
両親はまったく心あたりが無い。
詳しく聞き出すと、
A君「お城で歩いてた、いーっぱい居たんだよ」

頭に浮かぶのは大阪城。
でも、仮面ライダーなんて居なかった。
しかもたくさん……?

「今も、お城を守ってるんかねぇ」

そんな話をしていた。
A君、現在30オーバーのおっとり系おっさんに成長した

3話「お知らせ」

私の母と、私自身が同じような体験をしている。

初めに私から。
大学生の夏、高校の仲良しメンバーで
ひっさしぶりに集まることになった

いつもなら地元の大きなショッピングモール
集合のところ、中華屋さんに行く流れになった

ワイワイ向かっていると、
向こうから見知った顔が歩いてくる。
高校の先生と後輩が数人。

「え!久しぶり~!なんで~」と囲むと
先生たち「あ……O君が亡くなったんです」

めったに通らない道で、
偶然出会い、
後輩の訃報を聞いた。

同時期に元担任が性〇罪で逮捕されていたので
混乱はひとしおだった

母の話に行こう!
40年ほど前。
バリバリ務めていた頃。

出張から帰ってきた先輩から
飛行機でお前の知り合いにあったぞ!
仲良くなって連絡先交換しちゃった

と言われた。

母「えぇぇ!?その人探してたんです!」

経緯はこう。
友人のひとりが急遽亡くなってしまった。
当時はネットなどが発達しておらず
ど~しても連絡が取れない友人が居て困っていた。

先輩が飛行機でたまたま隣になったのが
その探していた友人だった。

母「飛行機で隣の人と話す~?
しかも何で私の話で盛り上がったん?
時代的に気軽に連絡先交換しないよねぇ」

母いわく、引き合わせて貰ったとしか思えないそうだ。

おまけ

ウチのじーちゃんは
深夜専門タクシードライバー
元教習所の先生で安全運転ばっちり

よく「お化けなんて居ないぞー
夜中運転してて1回も見たことない

と言っている。

そんなじー。
1度だけ事故を起こしている。
いつもは夕方に出て、早朝に帰るのだが
深夜に帰ってきた。
そして、ぽつぽつ話す。

いつものように運転していると
「ドンッ」
人が急に飛び出してきて、
ボンネットに衝撃が走った
「やばい」と思い車を降りる。
でも、どこを探しても人が見当たらない。

警察に事情を話して、早引けしてきたとのこと。

じーちゃん
お化けを信じてないわりに
ご先祖様への感謝を忘れずに、こまめにお墓参りをしていた。

本当にじーちゃんは何も見たことが無いんだろうか。

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