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オトナの社会科見学!菊水酒造株式会社の酒蔵見学で日本酒の歴史を学ぶ

新潟県の下越地方に存在する、新発田市。
地元の人にしか読めない難読漢字にも度々登場する地名ですが読めますか?

正解は「しばた」と読みます。

「新に開かれた田」というのが地名の由来だともされています。米どころ新潟らしい地名ですね。

そんな新発田市にある新発田駅から車で10分ほどの場所に、明治から続く、菊水酒造株式会社という酒蔵があります。

今回は菊水酒造株式会社での酒蔵見学をし、日本酒の歴史を学んだ様子をレポートします。

菊水酒造株式会社のあゆみ

菊水酒造株式会社は、1881年(明治14年)創業の酒蔵です。創業者は髙澤節五郎氏。
1910年に二代目の髙澤俊太郎氏の代で「菊水」が誕生しました。

「菊水」の名前の由来は『太平記』十三巻(龍馬進奏の事)における『菊慈童』という能楽です。菊の水は不老長寿をもたらすもの、という言い伝えにちなんでいます。

菊水酒造が株式会社となったのは1956年(昭和31年)。ここから規模の拡大を図って行きます。

現在の代表銘柄である「ふなぐち菊水一番しぼり」が発売されたのは1972年(昭和47年)のことです。日本初の缶入り生酒という画期的な商品です。ふなぐちの誕生ストーリーは後ほどご紹介します!

その後も、「五郎八」(1972年)、「菊水の辛口」(1978年)、「無冠帝」(1983年)など現代にも続くお酒が次々と発売されていきます。

今回見学させていただいた、菊水日本酒文化研究所は2004年設立。
良いモノづくりを基盤としながら、面白いコトづくりを追求し、「モノ」と「コト」を融合させ新たな提案を創出する拠点になりました。

そして菊水酒造株式会社は、2021年(令和3年)に創業140周年を迎えました。
今後の菊水酒造株式会社の活躍にも期待が高まりますね!

菊水酒造の酒蔵見学のここがすごい!

菊水酒造では事前予約をすれば、誰でも無料で蔵見学を行うことができます。

・日本酒文化に触れる「日本酒文化研究所」
・日本酒造りを学べる「節五郎蔵」
・自然を感じる「菊水庭園」
・酒蔵直営「菊水ショップ」

を社員の方が案内してくださいます。
日によって担当の方が異なるため、説明も毎回違います。そのため、何度訪れても楽しめるのも魅力的ですね。

今回はこの道30年以上の大ベテラン、渡辺様が担当してくださいました。

①日本酒文化に触れる菊水日本酒文化研究所

菊水日本酒文化研究所

階段を降りた地下に広がる空間は、まるで図書館や美術館のよう。
ここには、酒や食文化に関する書籍や酒器などが収蔵、展示されています。
その数はなんと、約3万点。
昭和初期の料理雑誌や、大正時代のチラシ、江戸時代の料理が実感できる再現写真などはなかなかお目にかかれるものではありません。
日本酒が大好きな私には夢のような空間です。

改めて、日本酒は立派な文化だということを実感しました。

しかも、蔵見学と同様に、時間や利用目的などを伝え、事前予約を行えば資料を閲覧することも可能です。思わず「本当ですか?」と聞いてしまいました。

菊水日本酒文化研究所

こちらは、「杯洗」といって、盃を洗うための器です。
様々なデザインの杯洗から、あなたのお気に入りの1つを見つけるのも楽しいかもしれません。

他にも、お酒を販売する時の瓶などの展示もありました。今はもう使っていない瓶などもあり、こちらも見応え抜群です。

②日本酒造りを学べる「節五郎蔵」

節五郎蔵

日本酒文化研究所を出ると、次は節五郎蔵を案内していただきました。

日本酒造りの工程を見学しながら、担当の渡辺様が看板商品「ふなぐち菊水一番しぼり」の誕生エピソードを話してくださいました。

「ふなぐち菊水一番しぼり」とは1972年に誕生した菊水酒造の代表銘柄です。日本初のアルミ缶入り生原酒です。これにより、蔵でしか飲めなかった「ふなぐち」を多くの人が愉しめるようになりました。

「ふなぐち」の名前の由来も伺いました。

発酵を終えたもろみをしぼり、清酒と酒粕に分離させる時に使用する袋を重ねて入れる器物を酒槽(ふね)というのですが、そこから流れ出る清酒を菊水酒造では「ふなぐち」と読んでいたことが始まりだそうです。

そのため、もともとは蔵でしか飲めなかった「ふなぐち」ですが、ある時、蔵見学をしていたお客様から、「このお酒、普段も飲めたら良いのにな」と言われたことをきっかけに開発が始まったそうです。

社運を賭けて開発された「ふなぐち」ですが、発売当初はなかなか受け入れてもらえなかったこともあったそうです。しかし、業界では不可能と言われていた「生原酒の商品化」は次第に人気を博し、ついには爆発的に大ヒットしました。

そして発売から50年が経った今も「ふなぐち」は、「コンビニ最強酒」として、愛される存在となっています。

皆さんも、近所のコンビニで「ふなぐち」を見たことがあるのではないでしょうか?

そんな素敵なお話を聞きながらの蔵見学はとても楽しく、この蔵見学以来、「ふなぐち」をいただく時はこのエピソードを思い出し、蔵の人々に思いを馳せながら嗜むようにしています。

史水(ふみすい)純米大吟醸

他にも、私が興味を惹かれたのが、三味線を奏で聴かせた日本酒、その名も「史水(ふみすい)純米大吟醸」。
新潟市出身の三味線奏者、史佳Fumiyoshi氏とのコラボレーションで生まれたお酒です。

田植えから酒になるまでのすべての工程で三味線の音色を聴かせ続けた、蔵人と史佳氏がこだわり抜いたお酒です。

③自然を感じる「菊水庭園」

菊水庭園

続いては、自然を感じる「菊水庭園」へ。
蔵を出て少し歩くとなんとも美しい緑が広がっていました。

新潟県柏崎市出身の庭師、田中泰阿弥氏が手掛けた庭園です。
田中泰阿弥氏は、京都銀閣寺の出入庭師も務めた「庭匠」と称される人物です。

そんな田中氏が更地から作庭した菊水酒造創業家の庭園が「菊水庭園」です。

大小の石で川や滝の流れを表現した枯山水は、田中氏の庭では珍しいとされています。
1966年、1967年の水害で移転を強いられた創業家の心中を思い、水を使わなかったといわれています。

この庭では、四季折々の景色を楽しむことができます。(冬季は閉園)これからの季節は紅や黄色に染まった美しい木々を見ることができるかもしれません。

④酒蔵直営「菊水ショップ」

菊水ショップ

最後に訪れたのは、酒蔵直営「菊水ショップ」。

ここでしか買えない限定の生原酒や菊水日本酒文化研究所から生まれたお酒を愉しむための酒器などが販売されています。
もちろん、代表銘柄「ふなぐち」もありますよ。

また、試飲もできるので、味見をしながらお気に入りのお酒を購入することができるのも嬉しいですね。(未成年者、運転手は試飲はできません)

今回は、しぼりたての生原酒、菊水紅梅酒、ふなぐち、ふなぐちスパークリング(ふなスパ)を試飲させていただきました。

こちらはもちろん、蔵見学をしなくても立ち寄れるので、お買い物だけでもOKですよ。
でも、様々なエピソードを伺った上で訪れるともっとワクワクすると思います。

「ふなぐち一番しぼり」を飲んでみた

菊水ふなぐち一番しぼり

今回は写真真ん中の、スタンダードな「菊水一番しぼり」をレビューします。

まず、驚くべきは「アルコール19度」の文字。さすがは生原酒です。
気合を入れて一口飲んでみます。

すると、意外にも口当たりはまろやかです。しかも旨味やコクをしっかりと感じます。かなり濃厚で味わい深いお酒です。

新潟県産米を100%使用しているのも嬉しいですね。

この3本飲み比べセットなら、熟成期間による味わいの違いも楽しめますよ。

まとめ

今回は新潟県新発田市の「菊水酒造株式会社」での蔵見学をご紹介しました。

創業140周年を超える菊水酒造株式会社は、自社製品だけでなく、お酒や食事の文化も学べる素晴らしい酒蔵でした。まさに「オトナの社会科見学」です。

また、現在はふなぐち誕生50年を記念して、「菊水ポイントキャンペーン」を行っています。

「ふなぐち」についているポイントシールを集めてオリジナルグッズが当たるキャンペーンです。
あなたは何を狙いますか?

そして、毎月27日は「ふな(27)ぐちの日」。20時から22時まで「ふなぐちツイッター飲み会」もやっています。
Twitterで「#ふなぐち」をつけて投稿するだけで参加できます。

ぜひ毎月27日には近くのコンビニでふなぐちを手に取ってみてください。

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