メンヘラホイホイ-57 生殖機能(第四章)

そのみさこって人はバツイチで1人娘を育てている。娘は現在大学生。元旦那さんが自殺してしまった事で現在は彼氏募集してもいいかなと言っていた。

とは言え、元旦那さんが逝去してから1人の男性とお付き合いして、その男性が浮気してしまった事で恋愛にはウンザリしていたらしい。

俺はいつものパターンで全く興味が無かった。
しかしながら会話は楽しいからたまに会っていた。

俺のバイクに乗ってみたいと言うから仕方なく2人乗りをしたら後ろから抱き付いてくる。

俺のバイクは後ろの人がよっかかれるように背もたれが付いているんだが、わざわざ前傾姿勢で乗る事も無いのに。

その帰りに
「あたし達、もしかしたらヤッちゃうかも知れないよね!そう思うとドキドキしちゃう。」

2人乗りしてる時に抱き付く事を拒んでも、彼女は照れ隠しだと勘違いしている。話を聞いていると言い寄られると拒めないタイプみたいだが、やっぱり俺はあまり興味が無い。



そうこうしてる時、真夏の炎天下の中、1人バイクで某環状線を走っていた。暑さで意識が朦朧とし、少し休憩がてら水分補給をしようと思っていた。

すると、渋滞している某環状線で目の前の車が急ブレーキを掛けた。みんなチンタラ走っているんだが、俺は意識が朦朧としていたせいか前の車のカマを掘り、よろけて転倒した。立ちゴケみたいに。

立ち上がろうとしたが上手く動けない。
下腹部が痛くて立てず、疼くまくって道路に横たわった状態で痛みにもがき苦しんでいた。

環状線沿いにあったお店の店員さんが出て来て肩を貸してくれたが、歩道でももがき苦しんでいた。内側が潰れたんじゃないか?そんな声も聞こえたが、会話する余裕は無く痛みに悶えた。

救急車で運ばれたが出血はしていない。

検査をしてみると、バイクのタンクに股間を強く打ち付けたらしく、玉袋の中で内出血しているらしい。

男は玉を打つと玉と同時に下腹部に激痛が走り、呼吸するのもやっとになって動けなくなっちまうんだ。


俺の玉袋は内出血で灰色になっていた。

一週間様子を見て内出血が落ち着いてから再検査しないと分からないと言われ、そのまま入院。
俺は子供が欲しいと思っていたのに、もしかしたら諦めないといけないのか。そう思うと、再検査まで生きた心地はしなかった。




一週間後。

再検査の日である。

運が良い事に玉は無事だった。
その玉には何枚か皮に覆われているらしいが、あと一枚薄皮が破れていたら破裂して修復できる見込みが危うかったらしい。

入院を終えた俺はひとまず安心したが、射精可能か試す気にはしばらくならなかった。

みさこにそれを伝えると
「ヤッて試してみよう」と言うが。

俺はコイツがみさこで硬くなる自信が無かった。
ってより、ここら辺で自分はそんなたくさんの人と身体を重ねる事に対してお誘いを受けたらするってサイクルが面倒になっていた。そんなに経験人数を増やした所で、好きでも無い人としても途中で自分に嫌気がさすんだろう。

みさこはその後に、職場の上司にガンガン押されて付き合っていた。ちなみにその男は50歳にもなるってのにゴリゴリに束縛してくるらしい。それを相談されても、嫌なら関わるなと言って別れればいいのに「でもなぁ〜」と言って延々と足踏みしている様な話を聞かされる。あとはどうなったかは知らん。


その後にノノカって子と知り合ったが、年上好きだと言っていた。歳は24歳。

何度か2人で出かけたが、絶対に財布は出さない。が、個室で飲んでいると俺の隣に移動してきて腰から足の付け根辺りに触れてきて、俺の股間を出そうとしてくる。

独特な雰囲気はあったが、ノノカにはドス黒い影の様なモヤの様なものがあり、俺の勘がこの子に対して近づかない方が良いと言っていた。

そして、話していくうちにノノカは時限爆弾を持っている事がわかった。俺の勘は当たっていた。

元カレは既婚者で嫁さんにそれがバレてしまい、慰謝料を300万支払っているらしい。
おまけに、それを返済する為に風俗で働いている。

年上と付き合えばデート代を出してもらえて、場合によっちゃ慰謝料も出してもらえるかもって作戦なんだろう。

当然、忙しいフリをしてフェードアウトしたが。


そしてまたモンスターに出会ってしまう。
とあるお店の店員さんで、接客力がすごい。

次はその人の話だ。

次回タイトルは「3人」。

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