共済会からの借金

会社独自の共済会があった。全社員は強制的に加入だった。
月に1000円の共済会費用が、給料から天引きされる。そういうシステムだった。
ただ、重役以上の人は、加入していなかった。
会費は退社する時には、払い戻された。

メリットとしては、収めている共済会費の90%まで、借りる事が出来た。そして、月に1000円以上の金額で、給料天引きで返済するのである。いくら引かれるかは、借りる時に決めて、契約書を交わす。途中で残金一括返済も出来た。
ちょっと小遣いが足りなくなったりした時には、便利だった。

ひとりの常務取締役が居た。彼は婿養子で、小遣いはしっかり奥さんに管理されていた。
だから彼は共済会から金を借りたいと思った。だが、役員は会員ではない。
そこで彼は総務課長に頼み込んで、特例で会員になったのである。
毎月1000円の会費を天引きさせて。

常務は早速数ヶ月後には、共済会から金を借りたのでしたw

結構、接待では、良い倶楽部使ってたけどなぁ。勿論、彼の領収書や請求書は、俺の下が処理の仕分け伝票を起票して、俺に提出して来る。
領収書は、金額30000円超えてる場合は、うちの上司の経理次長の判子が必要だったので、俺がそれを持って行き判子をもらっていた。
請求書も同様に判子をもらい、毎月20日の支払い計画に加えて、社長までの決済が必要な支払い計画書に加えて、送金するのだった。
次長まで判子を貰った後は、俺が社長室に電話して「決済いただきたいので、今お伺いしてもよろしいでしょうか?」と訊ねて、判子をもらいに行っていた。
銀行に出す小切手や手形に押す会社の実印は、その時に貰っていた。
他の会社は知らないが、その時いた会社では、利息が付かないから、普段は当座預金残高は、0円にしていた。
手形などの支払いの時に普通預金から1円単位でぴったりの金額を当座に振り替えるのだ。
支払い日の口座振り返りとかは、中々のプレッシャーだった。
1度振り替え金額間違えて、銀行から3:00前に電話が来た事があった。複数の普通預金口座から振り替えるから、それを間違えてしまったのだ。
銀行の窓口の責任者の女性から、電話かあった。彼女は俺の中学の同期生だった。同じクラスになった事無かったから、銀行で俺とは知り合った形である。

俺の不手際で、下手したら1回目の不渡りを出してしまう。これはやばたにえん。
普通預金口座には残高はたくさんあったのに。
俺は焦りながら、車で銀行行こうとした。不足分の振り返りの伝票を書いて。
俺が焦ってるのを見て、運転が危ないと判断して、上司の係長が運転するからと、同行してくれた。
まじ、助かったね。
あの時運転してたら、事故った可能性はある。
会社の車はオートマだったから、運転は楽だったけど。

あ、共済会の話だったねw

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