MOUMOUくん2

書いてから思い出した話。

彼はバイトと称して、パチンコに行っていた。勝率は結構良かった、それか勝った時のみ話していたか、だね。
たまに、やられた!ミカドにやられた←パチンコ店の名前、と喚いていたから。
大学の講義をサボり、朝イチからそのパチンコ店にならび、閉店までやるのだ。
彼曰く、パチンコしてる時は、食事は摂らない。満腹になると闘争心が薄れるから、だそうだ。だから、何時間置きとか決めて、珈琲、オロナミンCドリンクだけを飲んでいた。これは、彼がサークルの会報に書いていたから、そうなのだろうね。
実際には誰も見ていない。真偽の程は定かではない。

金がパチンコで無くなると、バイト、本物のバイトをしていた。バイトのためにバイトするという、笑える話。
そのバイトは、倉庫での軽作業だった。俺たちは倉庫番と呼んでいたが。
普段鈍ってる彼である。倉庫内軽作業したら、翌日には「わしぃ、体バリバリや」と言って、死んでいたw

忘れられないのは、うちのサークルが生協主催のソフトボール大会で、予選を勝ち進み決勝戦に進出した時である。
彼はうちのチームのエースだった。俺はキャッチー。中々のバッテリーだったのだ。
だが、決勝戦の日、彼は倉庫番のバイトに行ってしまったのだ。確かに今普通に考えたら、バイト申し込んでたら、ソフトボールがその日に決まっても、バイト休める訳がない。それに休む訳もない。
だから、うちのチームはピッチャー経験ない連中が点を取られると交代していた。
いつもはコールドゲームとかで勝っていたのに、エースがいないから8点くらい取られていた。俺たちは気が荒くなっていた。相手はテニスサークル、それも体育会系のテニス部ではなく軟派なテニスサークルだったから、応援に女の子が多い。うちにはメンバーに必須とされた女の子2人以外は、野郎だけw
俺たちは、ソフトボール終わったら、リングで片付けようぜ!とか喚いていたら、きゃあ、野蛮とか言われていた。←真実。

そんな訳で決勝戦は惨敗した。
それでも準優勝だったから、ビール券の賞品はもらえたけどね。
負けた事を知った彼は、自分が来なかったせいなのに、後輩たちを説教したらしい。

俺たちが彼を恐ろしいと思ったのは、3年生の時である。友人K宅で飲んでた時、彼は言った。「おまえら、人刺したことあるか?」みんなある訳ないと話す。
「わし、有る」
彼が浪人ではない空白の2年間あったが、これだったのか。
みんなそう思った。

ある夜下野と言う行きつけの店で飲んでいた。
普段はカラオケでは歌わない彼が、氷雨を歌ったのである。
それがハンパなく音痴。ド下手。
思わず笑いそうになる。だが、笑ったら刺される。そう思って、みんな堪えるのでありました。
俺は自分の太ももをつねって、笑うのを我慢した。
いまだにこの氷雨事件は、当時の仲間で飲むと話題に出る。
お前ら、人さした事あるか?この時の表情は、怖かった。

彼はザラブ星人に似ている。
だから、ザラブくんとも陰では呼ばれていた。本人に言ったか?刺されたく無いから、誰も本人には言ってはいないよ。

ザラブくん

俺は彼をさん付けで呼んで無かったから、飲んだ時に「わし、お前とは性格合わん!」と言われた事あったなぁ。

彼はゲームも好きだった。
ゲーセンでポールポジションを毎回何千円もやっていた。
俺たちが当日券でプロレス行くので、彼を誘ったが、わしぃポールポジションやる!と断って来た。
その日は素晴らしい試合が続き、俺たちは大満足した。全日本プロレスの何シリーズだったかな?
その夜一緒に行ったK君宅に泊まっていたら、22:00過ぎに彼が現れた。
ポールポジションで8000円すったと言う。プロレスは後楽園ホールのリングサイドで、5000円だ。
くそ、プロレス行けば良かった、彼はこう嘆いていた。

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