I俣の母さんの店

俺の実家は普通の住宅街だった。
徒歩10分くらいの場所に元ボーリング場の跡地があった。
そこが俺が小学校3年生の時にスーパーマーケットになった。
1階がスーパーで、2階にゲーセンがあった。
その辺の人の流れが変わっただろうなぁ。

小1と小2の同級生だった男にI股がいた。
彼の家はそのスーパーから大通り挟んで斜め向かい側にあった。
普通の家だったよ。
俺は1回遊びに行ったことがあったし、I股の母親とも顔見知りで、道で会うと話してたりした。うちの親とも顔見知りだった。

そんなI股の母が、小学校4年生の時に店を始めたのだ。
家の道路に面した部分を改装して、洋服屋を始めたのである。
場所的にフリーの客とかは、そんなに望めないだろうに、そう思った。
実際に俺はその店に客が居るのを見たことは無かった。
店の奥が家だから、I股の母は普段は家にいて、来客があれば、チャイムが鳴り店に出て来ていたらしい。

だが、その店は俺の高校時代にも大学時代にも潰れてなかった。
それどころか、15年くらい前に帰省した時もまだあった。
店には灯りがついてたから。
謎だなぁ。

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