ウォンくんのヤバそうな麻雀ゲーム屋でのバイト

ウォンくんは、大学の同期である。
本名は違う。
アブドーラ・ザ・ブッチャーの空手の師匠がウォン・チュン・キムだったとプロレススーパースター列伝ででっち上げられてたから、師匠の名前に一部あだ名が似てた彼を我々は、ウォンくんと呼んでいた。

前にウォンくんと少し離れた位置にいる時声かけたら、本物のウォンさんが振り向いて、自分ではないと知り歩いて立ち去ったこともあった。

その彼は生田に住んでいた。
彼はボンビー学生だったから、バイトをほぼしていた。
金が無くて、白飯を塩かけて食べたり、テレビの料理番組みてそれを食べたつもりで白飯をかきこんだりしていた。

そんな彼はヤバそうな麻雀ゲーム屋のドアに求人募集の貼り紙を見つけたのだった。
見るからに非合法的なところだったが、2浪してたから歳は食ってたウォンくんは、その店を訪ねて、バイトする事にしたのだった。
店には店を任されてるおじさんだけだったから、2人での勤務となった。
やばい店だから、夕方から深夜の営業だった筈。

ウォンくんがバイトしてるから、俺たちの仲間内も店に行って麻雀ゲームをした。
勿論ゲーセンにある100円や10円を投入してやるゲームではない。
例えば3000円渡すと、店員が機械に3000円分のコイン数を入れる形だった。
そして帰る時に残高があれば、それを換金してくれていたのである。

友人のMうMうくんは、ウォンくんと仲が良かったから、Kを引き連れてその店で何回もゲームしていた。
この手の店の醍醐味は、上がった後のBIG or SMALLの遊びである。
ベットした数に合わせて、当たればコインが倍になるのである。
勿論この設定は、店が出来る。
MうMうくんは、「次は絶対BIGや!」とか言って、ベットを増やす。
ウォンくんが、「その機械はSMALL台だから、BIGは出ない」と教えても、「そろそろ来るはずや」と行くたびに5000円とか溶かしていたw
MうMうくんは倉庫内軽作業のアルバイトをしていたし、仕送りも多かったから、金は持っていたのだ。
よくパチンコに朝から並んで行くことを、バイトと称していたw
で、パチンコしてる間は、ハングリー精神がなくなるから、食事はしなかった。
何時間したらオロナミンCドリンク、何時間しまらコーヒーとか決めていて、それを守っている変に計画的な人だった。

その店のオーナーは、見るからにヤバそうな人だったそうだ。その人はウォンくん以外には見ていない。
深夜に来て売り上げを回収する。
その時に売り上げが少ないと、おじさんを怒鳴りつけていたそうだ。
単なるアルバイトのウォンくんは怒鳴られた事は無かった。それどころか、お疲れと言われて、ユンケルを貰った事もあった。
だが、おじさんはウォンくん曰くどつかれる事もあったらしい。
ウォンくんは、そこで3ヶ月アルバイトをした。
その金で、卒業旅行に行けたのだ。
ちなみにウォンくんが辞めてからは、仲間内の誰もその店には行っていない。

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