KM出せ出せ事件

大学時代の話である。
1年生の時である。
俺の同期にKMって、身長が185センチくらいの男がいた。
彼は少林寺拳法部に入った。
この部には酒癖が悪い上級生が何人も居た。
そのうち2人は、俺の隣の部屋の上級生と仲が良く、よく夜寮に泊まっては、隣の部屋でチンチロリンとかしていた。勿論飲みながら、である。
そして深夜に酔って、うちの部屋に乱入して来たりもしてた。酔って無理難題を言うのだ。俺は同室の同期は、言う事きかなかったら、殴られてた。

そんな部活に何故かKMは入った。
4月の入部ではなく、夏の入部だったから、多分上級生に入るように強要されたのだろうな。

歓迎コンパの時である。
酒乱の上級生が、「よし、KM脱げや。」周りもぬーげー!ぬーげー!と囃し立てる。
KMは脱ぎはしない。周りは✖️✖️を出せとなり、「だーせー!だーせー!」
脱いで出すまで一気しろ、こう言われてKMは飲み続けた。
体が大きいから、最初は飲んで済ませていられた。
だが、日本酒の一気飲み連続である。KMも限界に。
そしてKMは、立って一気飲みしてる大勢のまま、逆噴射して口から吐いたのである。汚い話だが。
すると上級生たちは、拍手して盛り上がって、「出したじゃねぇか」と言って笑って居たそうだ。

俺はKMからこの話をきいて、ひでぇって思ったな。
うちの部屋にも3年生の少林寺拳法部の人が居たが、この人は大人しく部屋でも威張ったりはしない人だった。4年生の元寮長だった人に遠慮があったみたいだったけどね。
少林寺拳法部の人が、全員悪い人ではない。
ただ、その人も酔ってKM事件の時は、一緒に囃し立てていたらしい。集団心理だな。
ちなみにKMはその時19歳だったが、昭和では高校出て大学生なら、18歳でも酒も煙草も構わない風潮だったから。これは警察でもそうだった。高卒で県警に入った同級生から聞いて、それは知って居た。
だから、法律はともかく、社会的常識として、何の問題も無かったのであった。

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