パーティレポ#2 K/A/T/O MASSACRE vol.442

 みなさんはK/A/T/O MASSACREをご存知だろうか。ご存知の人はナカーマですね(^o^)/、ご存知でない人はググってください。
 嘘です。サラッと説明します。K/A/T/O MASSACRE(カトーマサカー)とは毎週水曜日の夜に幡ヶ谷のforestlimtという箱で開催されるパーティのことで、主催のカトーさんにキュレーションされたアーティスト数組がDJなりLIVEなりを披露するのを観ることができる。フロアの一角にはカトーさんセレクトの古着も陳列されており、それを買うことも可能(カトーさんは古着屋NOVO!のオーナーでもある)。

 わたしがカトーマサカーを知ったのはJUMADIBAというラッパーの楽曲"Speed Mode"の歌詞の一節「遊ぶ 正解ない音まさか 頭に残るのはカトーマサカー」を聴いたときだった。その時は謎単語だなあと気にも留めなかったが、その後AVYSSの記事か何かを読んだときにもこの単語が登場したことで気になって調べたのが確か最初。ありがとうJUMADIBA。ありがとうねK/U/S/A/B/I MASSACRE。

ここからは実際に行っての感想となる。

 会場のforestlimitは地下にあり、うっすらとタバコの匂いのする薄暗い空間だった。だが決して居心地が悪いわけではなく、むしろ落ち着きを覚えたのを覚えている。バーカンであたふたしつつも瓶コーラをもらい辺りを見渡していると、いよいよ最初のDJのプレイが始まった。442回目のカトーマサカーのスタートである。

①TYPE-O RISK SYSTEM(DJ)
 彼のDJは言うなれば工場みたいな無機質な世界。目まぐるしく動く機械のようなサウンド、身体の内側から骨を撞かれるような重低音の連鎖に思わず嬉しくなる。これがカトーマサカーなんだ……!
②Sonia Lagoon(DJ)
 彼女のDJはTYPE-O RISK SYSTEMさんのとは対照的に密林のごとく色彩豊かで、ジャンルに囚われない柔軟性と一貫したスタイルの両立に「大自然」を感じた。
③小松成彰 AK okamoto プエル(LIVE)
 今回のマサカーで一番食らったのが彼らの演奏だった。坂本龍一の楽曲"undercooled"のアレンジカバーからスタートし、小松さんのポエムの弾き語りにプエルさんがサックスを乗せ、それをAK okamotoさんがその場でミックスするというパフォーマンスには草原のような雄大さを覚えた。
④Loci + sudden star(DJ)
 ここからマサカーの空気感がガラリと変わる。hyperpop(違ったらゴメン)を軸に据えたセットでフロアの雰囲気を一変させると、大胆かつ繊細なB2B(ふたりで交互に曲をかけること)で観客を踊らせた。
⑤Yoong(DJ)
 めちゃくちゃカッコよかった。選曲、展開、テクニックに至るまで全てハイクオリティで、この人のDJを無限に聴いていたいと思った。
⑥in-mark(LIVE)
 質素かつ激烈なビートに等身大な思いの丈を綴るスタイルのラッパー。等身大だからこそ共感が生まれ、それを彼のスキルが満遍なく補完していた。
⑦POLYPICAL(DJ)
 もはや暴力。観客の耳をぶっ壊すために来ましたと言わんばかりのDJに大熱狂。ハイテンションになるあまりライターの火を着けて上に掲げてた人とかいた。すごい。
⑧amanemu(LIVE)
 内に秘めた正負さまざまなエネルギーをラップで還元するアーティスト。照明も相まって真っ赤に燃えたぎっていてカッコよかった。新曲もヤバかったし、欲を言えばもっと聴きたかった。
⑨KYLE MIKASA(DJ)
 最後まで飽きさせないぞという気概と工夫に満ちたDJで残った人たちをブチ上げててカッコよかった。しかも最後だからか時間制限がなく、その後少なくとも2時間以上はひとりでDJをしていた。すごい。

 客層は日本人と外国人が7:3くらいで、みんな音楽が好きなんだろうなというのがヒシヒシと伝わってきた。POLYPICALさんのDJのときの、音楽とフロアの熱が完全に合致して上昇しつづけていたあの空気感は本当にすごかった。

 全工程が終わったあとのマサカーは"裏マサカー"と呼ばれるらしく、そこではUSBを持っていれば誰でもDJができるのだという。今回わたしは2時までforestlimitにいたが、その間ずっとKYLE MIKASAさんがDJをしていた。途中DJとサックスとの即興のセッションがあったりなど、裏マサカーは何が起こるか分からないし、マサカー本編と同じくらいのポテンシャルを持っている。今回は途中で体力が限界を迎えたため最後までいることは叶わなかったけど、いつか必ず裏マサカーも完全攻略したい。

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