パーティレポ#5 SMILE VIDEO

 DIGITAL OFFLINEで朝まで踊り明かした半日後、わたしは阿佐ヶ谷DRIFTにいた。なぜか。それは待ちに待ったSMILE VIDEOが開催されるからだ。普段ならこんなムーブは絶対にしないしできないが、SMILE VIDEOとならば話は変わってくる。そもそもSMILE VIDEOとは「ニコニコ動画」をテーマに行われるライブやDJを聴ける(多分)日本唯一のイベントで、青春をテニミュ空耳の暗記に費やしたわたしからしたら願ってもない空間なのだ。

 というわけで行ってきたが、結論から言うと最高のイベントだった。DJで流れる曲の内訳としては、東方20%、アニソン20%(Bootleg含む)、ドナルド10%、残りの半分は新旧ないまぜのボカロという感じだった。ライブもバラエティ豊かで、鬱宮コの歌ってみたsetは観客みんなで盛り上がれたし、that same streetの感情のこもった叫びには思わず泣きそうになった(その後のクッキー☆で出かけた涙は引っ込んだ)。懐かしのボカロを一度バラし、異物混入をあえて許したまま再構築したかのようなSentimental hardwareの演奏も凄まじかった。
 DJ陣もニコニコ動画という限られた範囲の中で最大限に暴れ回っていて、特に(まさかの)アル中カラカラを流したシナガワ、きららマニアの走馬灯を投影したLily Fury、自作のBootlegでフロアをその日で一番盛り上げたSH2MI2が印象に残っている。

 SMILE VIDEOは出演者はもちろん観客もみんなニコ厨だから、終始とてつもない安心感に包まれた良いイベントだった。わたしがかけがえのない中学高校時代を投げうって「うぽつ」「www」と打ちこんだ日々が、ようやっと報われたような心地がした。
 ここ数年間は常にオワコンと揶揄されているニコニコ動画だが、なんやかんや今日まで運営され続けている。そしてVOCALOIDやMADなどのインターネット文化は、ニコニコ動画があったからこそここまで発展することができたことは間違いない。SMILE VIDEOは、そんなことを再確認させてくれるイベントだった。また行きます。

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