土特のテキストの使い方

土特は演習授業です。6年生後半に向けて、この形式の授業が増えていきます。特に9月以降は土特に加えて、SS、冬期講習、正月特訓と優先度が高いものはすべて演習形式です。SAPIXの場合、国語の典型題については5年生まででほぼ扱い終わるので、半年(2月~7月)かけて復習し、夏期講習(7月後半~8月)でもう一回転させて、これらに接続します。

土特はこの演習形式の授業に慣れるためのものです。予想問題や比較的近年の入試問題も収録されており良い教材なのですが、SSの方が優先度が高いため、時間的・体力的に扱い切れず、やりっ放しになることも多いです。比較的余裕のある前半の内に、その使い方をしっかり身につけましょう。

テキストの構成は読解問題が(原則として)3題。これにウィークリーステップという知識問題が付いています。読解問題は大問一がAタイプ、大問二がABタイプ、大問三がBタイプになっています。
ハイコースでは大問三で記述力を養い、ミドルコースでは大問一、二を扱い演習、ローコースでは大問一ないし二を用いてじっくり解説することが多いでしょう。ただし問題の選定などは各講師に任されているので、それぞれのコースの平均偏差値や解き方の傾向などにより変わります。
私自身も最上位コースを担当していても大問一、二を扱うことや、ミドルコースで大問一題をしっかり解説したこともあります。コース全体として家庭学習の提出率が高いなど、生徒の家庭学習に任せられる部分が大きければ、よりハイレベル(かつ不親切)な授業が展開できます。

一般的に土特の家庭学習は、授業中に実施した問題の復習です。SAPIXの国語は記述問題に重点におき、記号や抜き出しがおろそかになっていることが多いです。本当はA授業で扱っているのですが、問題が簡単なこともあり軽視しがちです。よって、ここで過去問ベースの問題を間違い、その問題を正解するための手法や、参照すべき本文の箇所の見つけ方、そもそもの本文の線引きの手法を学ぶものです。
こういった手がかり、根拠を自分でまとめるのが家庭学習であり、「解き直し」と称して記号のみ書くのでは成長はありません。またミドルコースの生徒が授業中に扱わなかった大問三の答えを写して、家庭学習として持ってくる姿を見ると可哀想になります。きっとご両親に「全部やれ!」と言われたのでしょう。
手がかり、根拠をまとめる作業は夏期講習中に行う有名中学入試問題集の演習、そして9月以降に行う志望校の過去問演習を効率化するのに役立ちます。もっとも記述問題に関してはB授業の家庭学習でやっているはずなのですが。これを記号や抜き出しについても適用するに過ぎません。

ウィークリーステップは知識問題ですが、Aテキストのものに比べ若干難易度が高いものが含まれ、かつ古い印象を受けます。毎週のデイリーチェックが90点以上取れているなら加えると良いでしょう。そちらが芳しくないのに、問題量だけ増やすのはおすすめできません。

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