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鑑賞◆小倉百人一首◆

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今橋愛と花山周子で「小倉百人一首」の鑑賞をしています。 毎週月曜日に更新します。 ※奇数番号の歌を花山が偶数番号の歌を今橋が担当していますが、ときに狂う場合がありそうです。ま… もっと読む
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記事一覧

86番 嘆けとて月やはものを      西行法師

今橋愛記 86番   嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな      …

主婦と兼業
1か月前
4

94番 み吉野の山の秋風②          参議雅経

み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり                …

主婦と兼業
4か月前
3

40番しのぶれど色に出でにけり①   平兼盛

しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで  平兼盛たいらのかねもり  40…

主婦と兼業
5か月前
7

41番② 恋すてふわが名はまだき      壬生忠見

花山周子記 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか 壬生忠見 〔所載歌…

主婦と兼業
5か月前
2

76番 わたの原漕ぎ出でて           …

今橋愛記 わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの雲居にまがふ沖つ白波  法性寺入道前関白太政…

主婦と兼業
9か月前
3

72番 音に聞く高師の浜の            祐子内親王家紀伊

今橋愛記 音に聞く高師の浜のあだ浪はかけじや袖のぬれもこそすれ  祐子内親王家紀伊〔所載…

主婦と兼業
8か月前
2

82番 思ひわびさても命は               道因法師

今橋愛記 思ひわびさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり            道因法師 〔所載歌集『千載集』恋三(818)〕 82番は歌よりも作者のほうにぎょっとするのだった。 「法師」なので出家をしているが、出家時は80歳を超えていたそうだ。 出家以前には、神社に毎月「いい歌を詠みたい」とお祈りに行っていたのだともいう。この人がいい人だったら、このエピソードだけが残っただろうに。 歌合わせで負けた時には、判者のところに行って涙を流して申し立てた

22番 吹くからに秋の草木の                           …

今橋愛記 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ 文屋康秀 〔所載歌集『古…

主婦と兼業
7か月前
6

68番① 心にもあらでうき世に         三条院

今橋愛記  伏し目がちな歌。 ほんとうは この儚い世を もう生きておりとうはないのやけれ…

主婦と兼業
6か月前
2

68番② 心にもあらでうき世に         三条院

今橋愛記 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな        …

主婦と兼業
6か月前
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41番① 恋すてふわが名はまだき

花山周子記 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか 壬生忠見〔所載歌集…

主婦と兼業
6か月前
3

39番 浅茅生の小野の           参議等

花山周子記 浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき 参議等  〔所載歌集『…

主婦と兼業
7か月前
2

28番 山里は冬ぞさびしさ

今橋愛記 山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば 源宗千朝臣 〔所載歌集『…

主婦と兼業
7か月前
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37番 白露に風の吹きしく          文屋朝康

花山周子記 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける  文屋朝康 〔所載歌集『後撰集』秋中(308)〕 まだまだ2023年の東京は暑いけれど、そんな今読むと今日の一首はまるで秋を先取りしてくれているようで、一層いいなあと思う。 秋の草の白露に風が吹く。すると露が光りながら散っていく。 それを糸を通していない玉が飛び散る様子に見立てている。 露を玉に見立てるのは当時流行の発想であった。 35番⑤で、36番清原深養父の歌で『古今集』の歌は最後になると書いたが、