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悲しいけど、他人の態度は急に変わる

さんざんこちらを見下していたのに、ある日突然、態度を変えてくる人がいる。それを知ったのは高校生のころだった。
なお、幸いなことに、その後は他人に対して「こいつ、急に態度を変えたな」と思ったことは一度もない。大学を経て、サラリーマンを20年やっているが、そういうくだらない出会いがなかったことは、すごく幸せなことだと思う。

高校時代、放送部に入っていた。私は朗読をやっていて、一年生の秋に、初めて県大会に出場することになった。朗読をやっている一年生はもうひとりいて、仮にAさんとしておこう。Aさんはなぜか私に対して「自分より下」と思っていたようで、私が練習していると何かと口出ししてきた。

私がいない場所で、録音された私の朗読を聞いて「なっていない」と言い放ったり(これはその場にいた人に聞いた)。
練習していたら、いきなり中断させられて、見本をみせてくれたり。
25年経ってもやっぱりむかつくわ、これ(苦笑)。だけど、私もたいがい未熟な人間で、他人に不快な思いをさせてきたと思うから、これ以上は言わないようにします(爆)。

彼女の態度が180度変わったのは、大会当日のこと。
午前中に予選があり、予選通過した生徒だけが午後の本選に進むことができる。予選の後にみんなでランチをして会場に戻ってきたら、会場の前に予選通過者の番号が貼ってあった。私はせめて予選通過したいと思っていたのだけど、ちゃんと番号はあった。
「あー、よかった」
思わず声をあげ、振り返ると、暗い顔をしたAさんと、アナウンス部門に出場した一年生数人(この大会にはアナウンス部門、朗読部門があった)。
「え、みんなダメだったの…?」
予選落ちするとすれば私だけみたいに言われていたのに、蓋を開けてみたら、アナウンス部門、朗読部門に出場した1年生6人中3人が予選落ち、私は逆のグループに入ってしまった。

自分が予選落ちした段階で、Aさんは、大会前の自分の行いを悔いたことと思います。しかし、ここでは終わらなかった。
予選落ちだと思っていたので、本選では落ち着いて読めた私、優勝してしまったのでした。
表彰式でAさんに「おめでとう」と手を差し出されて、素直に握り返しました。
「ざまあみろ」とか言うつもりはないけどさ…あとで態度を変えなきゃいけないのって屈辱だし、他人を見下さない、たとえ心の中では見下しても絶対に態度に出さないって大切かもしれません。

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