吾輩は猫である。爪研ぎが苦手である。
吾輩は猫である。
名前はさくら。
御年14歳である。
最近は爪を研ぐのも一苦労になり、数ヶ月に一度動物病院に爪を切りに行っておる。
いや、吾輩は別に望んではおらん。
飼い主が勝手に連れていくのだ。
全く余計なお世話である。
右前脚の爪がな、こう、真っ直ぐに伸びなくてだな。上手く爪研ぎが出来ずにおると、肉球に刺さってきおる。これが痛い。
何度か血を見た。
最近はよる年波には勝てず、尿の量が多いだの、関節炎が酷いだのと言われ、猫用のサプリメントなど飲んでおる。
まったく、人間と同じだな。
まあ、それは良い。
なんせ、ニャンチュールに包んで食べられるからな。
ニャンチュールは美味い。
吾輩の好きなまぐろやカツオの味がするからな。
最近の健康志向のキャットフードはいかん。
やれササミだのラムだの馬肉だの、そんな野性味溢れる味は吾輩は好まんのだ。
日本の猫たるもの、魚一択だ。
まぐろはいいぞ。
DHAだかDHCだか知らんが、頭が良くなる成分が入っておるそうだ。
吾輩は種別はスコティッシュフォールドだが、日本生まれの日本猫だ。
なんと言っても、『さくら』と言う和名を名乗っておるからな。
この日本の地に骨を埋めるつもりで今日もニャンチュールを食しておる。
飼い主に一言物申すなら、吾輩は猫用のふわふわのベッドより、爽健美茶のダンボールで寝るのが好きだ。
そそくさと捨てずに吾輩のベッド兼爪研ぎとして、置いておいてもらいたい。
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