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最後に勝つ息子

小学三年生の息子。

その日は朝から私に怒られることばかりだった。

学校に行く準備が遅く、一緒に行く友達を待たせる。
学校に忘れ物をして帰宅。
我が家では学校の宿題をしてから遊びに行くことになっているのだが、なかなか取りかかろうとせず、おやつをボロボロこぼしながら大量に食べる。
遊びに行く約束の時間が近くなってきてから、突然焦りだし、キレながら宿題をする。
帰ってくると、ダラダラとテレビを観る。
その後、遊びに行った先でも忘れ物をして帰ってきていたことが判明。
家庭学習として、毎日1ページする約束の計算ドリルもなかなかしない。
夕飯も好き嫌いが激しく、特定のものしか食べない。
お風呂もなかなか入らない…

いつものことと言えばいつものことなのだが、その日の私はずっとイライラしてしまい、ネチネチ怒ってしまった。

少し落ち着いて、一緒にお風呂に入った。
私が「今日は朝から怒られてばっかりだったね。怒られてばっかりの一日で嫌だったでしょう。」と言うと、
息子はケロリとした顔で「まだ一日は終わってないよ。これから褒められるかもしれないよ。まだ諦めてないから。」と言った。

時間は午後9時半…
お風呂を出たら、歯磨きをして、後は寝るだけ。
え…この時間でまだ褒められるチャンスがあると思ってる?
もう寝るだけなのに。
特に褒められる行動なんて残されてないですけど。
めっちゃくちゃ前向きというか…

思わず、私は笑ってしまった。
「その謎にポジティブなところ、ママ、好きやわ」と言うと、
「やったー、ママに勝ったぞ。な、ママから褒められたやろ。逆転勝利!」とバンザイしていた。
この先、あなたにはずっと負かされそうだわ。

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