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私の感覚と息子の感覚

ある日、息子が小学校から日常生活の調査用紙を持って帰ってきた。
「何時に寝ますか?」「何時間、家庭学習していますか?」「習い事はしていますか?」といった日常生活での質問が並んでいた。
息子と一緒に質問文を読み、息子が回答したものにチェックを入れていった。
最後に「どれぐらいの頻度で褒められますか?」という質問があった。

息子は根っからの“いらんことしぃ”で、毎日、「なんで?!」と思うようなことをしでかす。
何度、注意しても繰り返す。
言い訳するときは、決まってこう言う。
「忘れてた」もしくは「間違っただけやん」
もちろん、良いところもあって、褒めることもたまにあるけれど、褒めたその30分後には何かしでかし、やっぱり怒ってしまう…ということが多い。

回答は4択。
1:いつも褒められる
2:よく褒められる
3:時々褒められる
4:ほとんど褒められない

最後の質問文を読み上げながら、毎日、息子を怒っている感覚しかない私は、せめて“2”を選択して欲しいと願いながら、きっと彼は“3”を選択するだろう、下手したら“4”を選ぶかもしれない…そうしたら親として最悪だ…と内心、ドキドキしていた。

そんな私の思いを余所に、息子は「これは“1”やな、オレ、毎日褒められてるもん」と自信満々に迷うことなく答えた。
私は、ビックリして、“1”にチェックを入れながら、誰に褒められてるのか謎に思った。
夫は私より厳しい人なので、そんなに毎日、褒めているようには感じない。
けれど、「毎日、誰に褒められてるの?」と聞くのもなんとなく憚られて、「そうやな、褒めるところ、たくさんあるもんね」と言って、調査用紙を提出ファイルに挟んだ。

きっと周りの大人の誰かが日々、褒めてくれているのだろう。
本来なら親である私がたくさん褒めなければならないのに、私の許容範囲が狭いため、怒ってばかりなんです、褒めて下さってありがとうございます!と、その謎の人に心の中で感謝した。


その日の夜、夫が帰宅すると、息子が「今日、こんな調査用紙が配られた」と話し始めた。
夫は用紙を見ながら、「毎日、誰かに褒められてるやな」と言うと、息子は「うん、毎日、ママに褒められてる」と嬉しそうに言った。
私は頭の中が?でいっぱいになりながらも、「そうやな、褒めるところ、たくさんあるもんね」とまた言った。

え?私、褒めてる?毎日?
とりあえず、息子が「毎日、オレ、褒められてるぜ」という幸せな感覚で良かった!!
何がなんだか分からないけど、私が褒められた気分になった一日でした。


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