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安全な暮らしができますように

先日、州のスポーツ大会の会場での出来事。


その日もバレーの会場はたくさんの観客で賑わっていた。

小さい子からおじさんまで。

その中で目を引く2人の小さな男の子がいた。
他の子と比べると身なりがきれいでない。
洗ってなさそうな服。

気になるのが彼らの持ち物だった。
ビニール袋の中に缶詰の空き缶のようなものを入れて、それを口元に近づけている。
初めはジュースを飲んでいるのかと思った。(カンボジアではビニール袋にジュースを入れて飲むことがある)
でも、そのビニール袋は口ではなく鼻に付けられていると気づいた。

その瞬間、彼らはよくないものを吸っているのだと思った。

気づいてから彼らが気になって仕方ない。
手にしたビニール袋はとても大事そうに服の中に手を入れて隠している。(隠していても見えてるんだけど笑)


今まで任地で生活していて、同じような状況の子に出会ったこともあったが、確信が持てたことはあまりなかった。それに昼間にたくさんの人が集まる場所でそのような子たちに会うことはなかった。


私は近くにいた友人に、
「あの少年たち、良くないもの吸ってない?大丈夫?」
と聞くと、
「あぁ……😓」
というような反応だった。

それは私にとってとても意外な反応だった。
カンボジア人は誰にでも話しかけるし、みんな知り合い・友達かのように接する人たちだと思っていたから。
自分の家族以外でもよくないことは注意しているのを見ていたし、人と人との距離が近いと思っていたので、あの少年たちにも
「良くないよ」って注意するのかと思っていた。

でもそんなことはなく、見て見ぬふりをしているようだった。

少年2人は他の観客と同じようにバレー観戦を楽しみ、時にはチームが用意した水を飲んでいた。笑


気づけば少年は5人に増えていた。


気になって仕方ないのでまた友人に
「彼らにお菓子あげてもいいか?」
と一応確認を取り、持っていた日本のチョコを渡しに行った。

最初の1人は私のことをとても警戒していたが、食べ物をもらえるとわかると手を出してきた。
彼は話せないわけではないと思うが、私が外国人だからクメール語は話せないだろうと思ったのか、終始ジェスチャーだった。しかも、👍のみ笑

他の子達は美味しいからもっとちょうだい、と手を出してくる子や、
いらないと、とあまり食べない子もいた。

座って食べながら少しだけ話ができた。

年齢(12〜15歳)
学校へは行っていない
家はここから少し離れている
5人のうち2人は兄弟

チョコの食べ過ぎか、水が欲しいというので本部に用意してあったペットボトルの水をもらって渡した。
500mlの水は多かったようで、半分くらい残して彼らはどこかへ行ってしまった。

チョコを渡すときに、
「これ(ビニール袋の中身)はよくないから、これ(チョコ)食べて」
と渡した。

ビニール袋の中身のことは良くないと分かっていそうだった。
バツが悪そうな顔をしていた。
でもすぐ吸っていたけど。



彼らはとても痩せていて、とても12〜15歳には見えなかった。
身長も低めだと思う。
空腹を紛らわせているのかな・・・。

彼らの今後が心配。
学校へ行っていないこともそうだし、家の状態はどんなのかな。
身体への影響はどんなものなんだろうか。寿命が短くなっていないかな。


日本で同じような状況の子どもに会ったことはない。
会ったとしても話しかけないと思う。(警察に相談するのが正しいのか)


もうすぐこの街を離れるし、彼らに会うことはもうないかな、元気に暮らして欲しい。できることならすぐに今の生活をやめて欲しい、と思う。


そして今日。
今日はお寺で何かイベントがあるようだ。
仏教の何か大切な日らしい笑

朝から街中にはたくさんのお坊さんがいて、さっき家の近くの道をお坊さんたちが1列になって練り歩いていた。
道端の人々はお金を用意してお坊さんに渡していく風習があるらしい。

そのお坊さんの列の後方にはお坊さんの見た目でない人もいる。
彼らもお金をもらう。
年齢層は低めが多いかな。
その中に先日バレー会場で出会った少年の1人がいた。

彼もお金をもらったのかな。
そのお金できちんと食料を買っていますように。
願うしかできなくて心が痛いけど。

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