ODAとぼく②
ということで、前回の記事の続き、これらの話から今、僕が思うことを書いていこうと思います。
僕としてはこの事実にそこまでショックは受けていないです。たまに協力隊に関して批判的な意見や記事を見かけたりした時に、
「なんでこんなに批判するんだろう?」
と思っていたのですが、少し納得がいきました。
さらに、
「JICA海外協力隊は本当にめちゃくちゃ困っていて、
『何でもいいからとにかく支援が必要』なレベルの場所には派遣されることはない。」
と聞いたことがありました。
でも、それはそうですよね。私たちの身に何かあると
国家間の外交問題に発展してしまう
ことが容易に想像できます。日本からしても、要請国側からしても
「何としてもそれは避けたい…。じゃあ、それなりに安全なところに…」
という考えになるのは自然な流れかと思います。
また、僕らは端から見ると
「国から派遣される専門性をもった立派な隊員」
に見えるかもしれませんが、基本的には
「国際協力1年生」
の素人に近い集団です。そんな集団がめちゃくちゃ困っている地域に入って何ができるかと考えると、多分逆に迷惑をかけます。
実際、国境なき医師団とか国連職員って、今までの国際協力経験や専門性を超重視されるらしいです。そんな集団と比べると協力隊は多分、鼻で笑われるレベルです…。
そうなると、ある程度安全でそれなりに困っていそうな地域に派遣されることは納得です。(実際に大変困っているところも多くあります。すべてそうというわけではないと思うのであしからず。)
この事実を知って今、僕が思うことは…
① 何にせよ、ある程度命の保証はされていて、双方の国が自分の身の安全は確保しようと考えてくれているのなら安心。
② ここまでJICA海外協力隊をかなりの数送っていたのは
「そういう意図があったからか!」という納得感。と同時に
「大人ってそんなもんだよなぁ。」というほんの少しの失望。
③ 自分は
「何が何でも国際協力がしたい!」
「その国の役に立てるなら何でもする!」
という真っ直ぐなタイプの人間ではないので、少しズルい思惑の者同士、肩の力を抜いて活動できそうだなという楽観。
(※きちんと活動に対して意欲や使命感はありますよ。)
以上3点が正直な感想です。というかこれくらいのほうが、
変な使命感やプレッシャーがなくて安心して活動できるかなと思います。
最終的な自分の考え…
「協力隊に行きたい!」と思った時の16歳の自分がこの話を聞けば失望するかもしれません。しかし、どんな理由であれ派遣してもらえることには感謝しかないです。
僕は双方の国家の色んな思惑を背負って派遣されます。
ある意味、外交の駒的な役割もあります。
しかし、最終的にこの事実と向き合ったとき
僕は「国家の方」を向いて活動をするような隊員にはなりたくないなという思いが湧き上がりました。
どういう理由で派遣されるにせよ、
「目の前の人の方」を向いて活動する隊員になりたい。
活動の内容も行政等から、やいやい言われて何となくやる活動よりも、
「この人たちのために。」と思える活動を頑張っていきたいと思います。
派遣された理由や、自分自身の志望動機に多少ズルいところがあっても、
目の前の人たちに対して誠実に接することのできる人でいたいです。
「きれいな事」の裏にある、ちょっとずるくて汚い思惑を知る。その中で自分が派遣されることをきちんと理解する。そこから自分がどのような活動をしていきたいか考える。
今回、自分が来年からどのように活動していきたいのかを考える良いきっかけになったなと思います。
こういったことを何も知らないで、何となく現地で活動をするのと、今からこういったことを知り、考えて活動するのとでは違いがあるだろうなと思います。
現実としてこういうことがある。
それを知った上で自分はどうするのか、それが大切だと思いました。
まぁ、世の中こんなもんですよね。
がんばろう。
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