一発必中は外すことが多い
最小の努力で効率よく成果を出したい、できたらたった1回の挑戦で大成功したい、などと思うのは普通の人の常だが、実際にはうまくいかないことが多い。
古来、一攫千金を狙うことは推奨されていないことから推察されるように、一発必中戦略は力み過ぎて周囲が見えなくなり失敗する確率が高まる。
ビギナーズラックを狙う
その一発必中戦略の成功するためにビギナーズラックに期待し、思い切って賭けに出るというのは誰しも考えるところである。
ビギナーズラックに過大に期待し、金儲けのために高リスク高リターンの株やギャンブルに投資してみたい誘惑にかられる。しかし、それは多くの場合うまくいかない。
そもそもビギナーズラックは、大儲けしようなどとよからぬ欲望を持ってはいけないもの。株やギャンブルの仕組みや何がどれくらい得られるか不明のまま、虚心坦懐に投資することで成立する。邪念と持たず、無心で投資するのでうまくいくわけだ。
普通の人の浅知恵なんかは、たった1回の貴重なチャンスであるビギナーズラック実現にとって疫病神そのものである。
ヒット商品
なんとかヒット商品を世に出したいと考える商品企画者。数多くの新商品を世の中に出し、その中の一つでもヒットとなれば新商品企画者冥利に尽きる。
数多くの新商品のネタがある場合は、世の中のニーズやライバル会社の動向を見ながら、タイミングを見計らって狙いすまして新商品を世の中に問うことができる。
このように恵まれた状況ではヒット商品を生み出す確率は高まるものだ。
このように恵まれた状況にあるのは例外的。
新商品のネタは枯渇し会社の業績も低迷している場合、「一発必中」でヒット商品を生み出したいと、商品企画者は追い込まれることが往々にしてある。
失敗は許されない、なんとか一発必中とばかりに想定を超える緊張感のなかで新商品開発を進める。その結果何が起きるか。
失敗が許されないという極度の重圧なかでは、見えるものが見えなくなり、市場投入のタイミングを外し無残な結果になりがちである。
人材の採用
企業の生命線はどれだけ自社と相性のいい人材を採用し育てるかである。規模や業種を問わず多くの企業では人材の採用に、ヒト・モノ・カネの経営資源を思いの外いっぱい投入している。
しかし、なかなか良い成果が得られない。
なんとか優秀な人材採用を効率よく、できたら「一発必中」とばかりに優秀な1人の採用を進めようとする。
これまでの経験で言えることは、「一発必中」を狙って1人に絞ると外すことが多いようだ。過度に慎重な姿勢を追求すると採用プロセスに時間がかかり、その間に採用する・される側はお互いに疲れしまう。挙句の果てにあまりに無難な選択となり尖がった能力のある人材を不採用にしたりする。
また、採用プロセスの途中で断られたり、採用しても重圧に負けて定着しなかったりということが多くの企業で実際に起きている。
全員が会社に定着することを狙うのではなく、自社と相性のよさそうな人を定期的に採用し、その中の何人かが定着すればいいと割り切ることが、人材の採用には有効なことが多いのではないかと感じている。
その14:2022/12/04
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