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どのくらいかと言うと

永遠、パパのことで悩んでいる。
どのくらい嫌いとか怒っている感情はもう捨てて、これからは普通に良い距離間で接することができるだろうと思っていた。

でも、そんなに簡単じゃなかった。

私の新聞記者の仕事がなかなか決まらず、それを馬鹿みたいに逐一報告していたのがいけなかったのだろうか。まあ聞いてきたのはあっちなんだけど。牧場で辛くて泣きました。なんて送らず、楽しいよ〜だけ送っておけば良かったと後悔するばかりだ。

やっと新聞の仕事が決まって、新しい住居も車も決まった。全て後から報告する作戦にしようと思い、見事遂行できたのだが、あまり効果はなくて
毎日LINEで家の間取りや車のことを聞いてきた。
欲しい物はないか、困っていないか。
正直、何も欲しい物もなかったし困っていなかった。ママはあまりそんな心配はしない。
親らしいことを言わないし、もはや友達なので
そんな会話はしない。

パパの優しさがありがたい一面、それを素直に喜べない自分もいてなんというか、悲しかったのだ。
そして、毎日来るLINEがあまりにもストレスだったから、電話して「もう、ちょっとLINEで色々聞かれるのストレスだから辞めて欲しい」と言うと
「分かった、もうしないです。頑張れ〜」と切られた。
すごく嫌で嫌で仕方なかったのに、寂しそうなパパの声を聞いた瞬間、罪悪感でいっぱいになった。人に思いを伝えるのはとんでもない精神的ストレスであることを知った。
思いを伝えられた喜びよりも、寂しそうなパパの声が勝って全然嬉しくなかった。
なんか悪いな〜と思ったから、
「パパのことを嫌ってごめんね、ごめんね、
   これからもよろしくね」的なことを送ったら
「嫌っていた」ことしか見ずに嫌われていることをグチグチ言ってきて、LINEしたことをまた後悔した。

ママに言うと、文面だけじゃそんなことが起きるから辞めときなさいと言われた。本当にそうである。
その後、もうパパからはLINEしません。
離れている美琴をずっと応援しています。と
来た。
思ったよね、『違う、違う、そうじゃない』と。
サングラスの髭が私の脳内を駆け巡った。
どうして、こうも上手くいかないのだろう。
君の名は。くらいすれ違っていると思う。

すぐに「普通にLINEしてきて欲しい」と送ろうと思ったが、それじゃあ自分の行動に矛盾が生まれると躊躇った。頑張ります、だけ送った。
私は普通の父親と娘の関係になりたいだけなのに、それが実現できる日はまだまだ遠そうに思えた。
離婚して、離れて、普通にLINEをして、もう終わりだと思っていた。
でも、これからまた長い長いパパとの関係が始まったんだと感じた。
そう簡単にはいかないようだ。
普通ってなんだろう。難しい。




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