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空箱

私の大好きなお笑いコンビ・ハライチが
クイック・ジャパンという雑誌で特集され、
2人がラジオでお互いのインタビューページに
ついて語る回があった。
そこで、岩井さんが「澤部はインタビュアーの
言うことを全て肯定し、自分の意見が質問に
よってコロコロ変わる」と指摘した。
さらに、インタビュアーが要求している答えを
汲み取って答えているだけとも言った。
そして、最後に岩井さんは
「お前はいないの、澤部。みんなの要望とか認識が作り出している実体のない黒いモヤなんだよ」と揶揄したのだ。
その話を聞いて、私はハッとした。
まさに自分も「実態のない黒いモヤ」なのではないかと。
人の顔をずっと気にしながら怒られないように生きていたら、いつの間にか考えもこだわりもない「安田美琴」という箱が出来上がった。
人が喜ぶと思って、箱にはたくさんのプレゼントを用意するが、開けてみると何も入っていない。
なぜなら、あくまで「他人」へのプレゼントだからすぐになくなる。
箱には自我が入っていない。というか、
自我がないから入れることができない。
自分は実態のない黒いモヤとして
この世に浮遊しているだけだ。
岩井さんは自我の塊で、先輩芸人に向かって鋭いことも言えるし、自分の意見を持ち、それを人に堂々と伝えられる天才だ。全く羨ましい限りだ。
しかし、世の中には澤部や私みたいに
他人が求める姿になりすぎて、自分というものがない人が大勢いるのではないだろうか。
いつまでも自信がなく、仕事に熱が入らない私はどうしたらいいのだろうか。
とりあえず自分という箱になくならない 「何か」を入れることから始めようと思う。

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