見出し画像

頭にたらい落としてよ

【前書き?】

北海道のとある地域で新聞記者をしている
新米新人アタフタ記者の日記です。
前職は牧場で乳搾りしていました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ほぼ毎日取材に行き、夜は記事を書いている。
直属の上司は札幌にいるため、基本的にいないも同然である。
もう、睨まれながら理不尽なことで
怒られる機会は減った。

だからこそ、私はどこまでも調子に乗れるため
日々、褒められても冷水をぶっかけて頭にたらいを落とされている気持ちで生きている。

自分がいくらでも頑張ろうと思えば、その分報酬が上がっていく仕事だ。
研修期間ゆえ、色々な人と初めましてと名刺を交換する。
色々な人がいる。声、仕草、話す内容であたかもその人を全て知った気になってしまう。

20歳で新人の自分に横柄な態度を取らず、頑張って下さいと言う人もいれば、自分の知識をひけらかしてまだまだだな!と言う おじさんもいる。 

名刺がたくさん溜まってもう誰が誰か分からない。
私は今、本登録されているわけでないので研修期間の研修生扱いだ。
K地区を10年間担当していた70歳のおじいちゃん記者と一緒に農協などの取材先に行く。
どうやら、このおじいちゃんはスーパーすごい
人らしく、全国版によく載るし写真が上手すぎて講習会も開いたことがあるらしい。

そんな人の後任とは気が引けるが、一方でこんなすごい人直々に記事を送って、直されるのだからラッキーだなと思った。

それにすごく良い人だ。
何度言っても、僕が運転すると言って車に乗せてくれるし、遠出の時はお昼ご飯をご馳走してくれる。どうお礼すればいいか分からない。
この人も人付き合いが上手く、誰からも好かれてそうなイメージだ。

また、たらい案件だが、私と一緒に取材に行けて嬉しそうな気がする。今日、初めて1人で取材に行ったけど、少し寂しかった。
酪農家でもない、講師でもない、全然違うフィールドにぽつんと立っている気がした。
だからこそ、同業者と一緒に車に乗って行けるのが嬉しいのかも。 

たまに出る悪口も大好きだ。
「あの人は相当キツいよ」
「横柄なじじい」など。
面白おかしく何回も言ってくるので、笑ってしまう。でも、全然嫌じゃないのは私も同意見だからである。
横柄なじじいは、本当に横柄だった。

あと、この人は観察力があるのかないのか
分からない。 

私が「あの人の服装すごくハイカラだった」と
言っても、よく見てなかったと言う割には
横に止まっている車を見て、
「あれは〜〜の会社の人だ。降りてきたら名刺を交換しようと思っていた」
と、全く知らない他人にそんなことをしようと
思っているのだから、すごい人である。
まあそういう仕事なのだけど。
車を運転していても、後ろの車の会社名を度々
当ててくる。恐ろしい。

そんなこんなで私は毎日楽しく生きている。
ダブルピース。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?