サラリーマン卒業の日記その⑦
そういえば、なぜ退職するのか明確に書いてなかった気がする。最近は引継ぎの挨拶の毎日だが、その都度「次の夢に向かって退職します」と告げている。それがある日突然、バカバカしくなった。実は辞めた理由はそんな明るい理由だけではないのである。
5月の私の売り上げは過去最高、そして支社で1番だった。褒められることも少々あったが、この売り上げの代わりに沢山のものを失った。
毎日残業、土曜日出社、お昼ご飯すら急いで食べる。頭をフル回転させて、精一杯やっているがそれでも終わらない仕事量。そして新人の面倒も任されている。
明らかにキャパオーバーであった。助けて欲しかった。「せめて後輩の面倒だけでも見てほしい」と思って上司に相談したが、親身にはなってくれない。冷たい反応だった。
今思い返せば、上司はいつもそうだったのである。キャパオーバーで無理だと何度も嘆いていたが、冷たくあしらわれたのである。(まぁきっと、そうしたのも本人なりの理由があったのかもしれないが)
まぁ、私が上手く「助けて」と言えなかったのも、社会人としてダメだったのかもしれないが。
そんな過労に押し潰され、自分の人格が歪み始めた時に「これ以上、ここに居ていけない」そう思った。
今思えば本当に辛かった。人を信じると言うことがよくわからなくなった。絶望しかない毎日で、誰にも頼れずにいたら視界がモノトーンになってしまった。希望がなくなったのである。
おわり
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