自分の繊細さ加減について(4)

 HSPについての本をまた数冊読んだ。カウンセラーさんが書いたものや医師が書いたもの、それぞれ切り口や表現の仕方が違っていて面白い。
 
 HSPは、人より敏感で繊細であるがゆえに生活上にストレスを抱えてしまう。それはそうなのだけれど、心がけや習慣づけで改善は可能だし、細かいことが気になり深く思考する性質は美点でもある。その性質と仕方なく付き合うとか消し去ってしまうべきものではない。ストレスとなり自分のハッピーの邪魔をする敏感さだけを改善し、長所として穏やかな生活の助けになるものは、自分のために自分の周りのために活かしていけばいいのだ。そんな本の内容に救われた思いがする。

 細かいことは気になり、いろんなことを対処しようとチャカチャカと動いてしまう割に、目指している自分の姿は大きすぎで大雑把、ゆえに疲れて動き回っている割に達成感が得にくく自尊心が低い。自分が知覚したものの認知にゆがみというかズレがあり、それを冷静に分析できるようになれば、取り巻く刺激に忙殺され苦しむことはなくなるのだと知った。

 具体的な対処方法として、◆「TODOリスト」の作成 ◆「スモールステップ」で努力する ◆緊急度・重要度マトリクスの「第二領域」を意識するという3点が気に入った。
 気付き行おうとしていることを「TODOリスト」化し、行うことの優先順位をつけ行うことを整理できる。
 目指すこと、行おうとしていることの課題分析を行うことで「スモールステップ」の目標を意識でき、結果、小さな達成感が積み重なっていく。
 「第二領域」にあたるのは、すぐに行う必要はないけれど大切なこと、自分の学びを広げたり深めたりする活動や健康への取り組み、(自分らしく無理のない)人とのつながりである。この「第二領域」の活動をおろそかにすると心がカスカスになる。実際、私は意識してなかった。逆に意識していけば、心豊かな時間が増えることになる。そういうことか。

 また、大前提として、他者は自分のことは分からないし、そんなに気にしてもいない。そして、今の自分は何もかも完璧にできる存在ではないので他者にも自分にも期待しないくらいがちょうどいい。他者のふるまいを高く予測するから傷ついたり、腹が立ったりするのであって、「予測と違った」ただそれだけのことなのだと。自分自身の思い描く理想像はあっていいが、今はまだ自分が描いている理想の自分ではない。これからの未来には…「スモールステップ」で細々と淡々と努力をするだけのこと。

 「今、現在」期待と違う自分だったら、その違いを「感情的」ではなく「分析的」にできてない理由を考えられば、できる範囲の「スモールステップ」で努力ができる。「人にどう思われたっていいじゃないか。そんなに自分が思うほど人は自分のことなんて気にしてないんだから。」自分のことは自分で淡々と積み上げるとか、着々と進めばいいんだ。

 だいたい本来は、自分で何とか出来るのは自分自身の領域のことだけなのに、これまでの私は、自分の領域外のことばっかり気になって対応して期待して、自分の領域である傷ついたり疲れた自分を放りっぱなしにするなんてちぐはぐでトンチンカンなことをしてたんだと思う。人は「思い通りにならないのが当たり前。」期待を手放そう。感情的にはがっかりやイライラもあろうが、それは自分で紙に書きなぐって捨てて、必要以上にその人に近づきすぎなければいいと思った。仕事上の付き合いであれば、感情はひとまず置いといて仕事を快適にできるように付き合っていこう。周りの人の感情に飲み込まれ、気付いたことを半自動的な反応のように対処することは必要ないと思えた。そんな暇があるなら、自分をおもてなし、お手当てして、自分が快適でいられるように時間や労力を使おうと思えた。

 本当に面白い本だった。救われたし前向きになれた。いや、別に前でも後ろでも横でも上でも下でもいいじゃないか。自分が自分で立っていられるような気がした。

【参考文献】
『繊細な人が快適に暮らすための習慣 医者が教えるHSP対策』西脇俊二著、株式会社KADPKAWA、2020

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