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【58歳、就活がんばる!!】 #20 スカウトメールの誘惑

登録している転職サイトから日々の新着情報やピックアップ案件に紛れて、企業からのスカウトメールも届く。それは意外と数は多いのだが、残念ながら希望している業種ではないものばかり。なので、ひとつひとつ丁寧に断りの返信をしていく。

しかし、中には「重ねてのご連絡となり大変恐縮なのですが、あなたにはぜひ当社でご活躍いただきたく、ご連絡を差し上げました」と再スカウトしてくる企業も。つい、「俺、必要とされている!?」と勘違いしてしまう。しかも、給与も魅力的で、休日も多く、高待遇なのだ。なので、ついつい心が揺らいでしまうのだが、本当にその仕事をしたいのかと。

「応募したら即採用になるかもしれんで」
「まぁ、シャレにならんくらい連敗中やしな…」
「もう贅沢なことを言っている場合じゃないやろ!」
「…まあな」
「就活中の生活費、えらいことになってるし」
「うっ!!」
「給料も想定月収27.6万円~+賞与年2回で、残業代は全額支給やで!」
「マジか!?」
「しかも、これ、再スカウトやから“ぜひ”って感じやん」
「でも、それ、誰でもできる仕事やん」

…と脳内で自問自答が繰り返され、数々の好条件に誘惑されつつも辞退する方向へ。スカウトメールが届くと「俺を必要としてくれている企業がある!」と嬉しくなるが、「それ、俺でなくてもいいやん」となる。希望の職種が来ることもあるにはあるのだが、それも「やりたい仕事はそれとは違うねん」となる。

そんなこんなで、スカウトメールは毎日のように届いている。今日もレストランのFCオーナー、グラフィックデザイナー、セールスプロモーション、インフラエンジニア、設備管理、経理…などなど。さすがに60社近くから不採用メールをもらっていると、早く落ち着きたい想いが先走る。「仕事を選んでいる場合じゃない! お前に需要はないねんで」と脅迫される。「この機会に大胆なキャリアチェンジを!」と思わなくはないが、やはり自分の中には「その仕事を楽しんでやれるのか?」というボーダーラインというか、最後の足掻きがあるのだ。

悪足掻き? 意地? 夢の継続? その昔、生活費のために自分を殺して仕事をしていた時期があった。家族を養わないといけないし、子供たちを学校に通わせなければいけないから、とにかく稼がないといけなかった。当然、仕事は楽しくなく、会社に行くのも辛かった。特急電車に乗らないといけないのに、普通に乗って通勤することが唯一の自分への抵抗だった。あの時期のトラウマがあるから、“楽しんでやれる仕事”というのが一番のプライオリティだったりする。だから、まだ足掻いている。

じゃあ、楽しんでやれる仕事って何? 好きなことを仕事にすること? …となるが、そこを語りだすと長くなるので、それはまたの機会に!

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