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キャッシュ表と認知負荷と伝え方の話

【この記事は株式会社ヘンリーAdvent Calendar 2023の14日目の記事です】

こんにちは。株式会社ヘンリーのMaya_Kです!
ヘンリーでバックオフィスチームに所属し、主に経理を担当しています。
今日は、業務の中で得た経験から、バックオフィスチームとして、会社のメンバーへの伝え方について考えたという話を書いてみようと思います。


キャッシュ表を作った話

いきなりですが、先日キャッシュ管理のための管理表を新しく作り直しました!
私の業務でも重要な作業の一つに、キャッシュ管理を行うという業務があります。
キャッシュ管理とは簡単に言うと、事業計画に役立てるため、会社のお金の入出金などを整理して、予想と実績を比較分析し、今後のお金の流れを数字で表すなどの管理作業です。
その管理作業に使用する表を私たちはキャッシュ表と呼んでいて、古い表の使いにくさから、新しい表に一から作り直そうということになりました。

表の原型はチームメンバーに作ってもらいました!(感謝!!)
実際の作業者である私へのヒアリング(作業の流れや情報の収集先、当時使用していた管理表の課題など)を重ねて作成してもらい、実際の運用の元で2か月ほど表の精度を検証した結果、安定して運用できる形となり、現在キャッシュ管理に大活躍しています。
以前使っていたものと比べると大変使いやすく、どういう視点を持って作成したのか作成してくれたメンバーに質問してみたところ、特に意識したという点を2つ教えてもらいました。

認知負荷の話

新しくキャッシュ表を作成するにあたって意識したポイントは2つあり、
1つ目は運用の保守性、2つ目は認知負荷を下げるということでした。

運用の保守性については、複雑な関数を使用せず比較的シンプルな関数を用いています。これはプロダクトの保守性と似ている部分でもありそうです。コードが複雑・マニアックであることでメンテナンスしにくいなどの問題にぶつかることもあるかと思います。運用し続けていくために複雑化しすぎない配慮がある作りになっていることは作業者にとって有難いです。

2つ目の、認知負荷という言葉は、エンジニア界隈でも最近よく使われている言葉ですね。
今回のキャッシュ表においての認知負荷の下げ方は、視覚的に情報の見せ方を工夫するというものでした。

以前のキャッシュ表は情報がてんこもり状態で、初めて引き継いだ際には脳がフリーズしてしまったほどです。負荷がすごい!
書き込む作業者が複数と、そしてそれぞれの想い(!?)と、予想と実績がぎゅっと詰まっていました。情報が一度に思いっきり目に飛び込んでくる感じです。情熱は感じるのですが、作業する際にも手順が複雑で脳内処理に時間がかかりました。
キャッシュ管理では、過去実績・将来予測が重要なため、それにフォーカスする必要があります。旧キャッシュ表ではそれらに加えシュミレーション算出までもが同じシートに集約されていたことが混乱の原因でした。

今回作成したキャッシュ表では、旧キャッシュ表では一緒になっていた過去実績・将来予測・シュミレーション算出の表示箇所をはっきりと分けたデザインになっています。視覚的にも脳内整理がしやすくなりました。
そして必要な細かい情報は別シートに小分けされ管理画面に集計されるようになったことで、作業手順を複雑に考える必要がなくなりました。
また線のシンプルさなどのデザイン性も認知負荷を下げることができたポイントの一つでもあります。
認知負荷が下がったことで、作業にも迷いがなくなり、作業精度そして数値としての精度もあがりました!

そういえば、弊社で開発しているレセコン一体型電子カルテHenryについても、シンプルなデザインで認知負荷が下げられていて、どんな方でも使いやすいシステムになっています。
実際の使用の仕方のデモを社内で見せてもらいましたが、初見でもすっと目に頭に入ってきて、すぐ簡単に使えそうなところが素晴らしいと思いましたが、改めて認知負荷という点で見ると非常に優れたデザインであることが理解できました。

左が旧、右が新キャッシュ表(一部分)

伝え方の話

話が広がってしまいますが、認知負荷を下げて理解しやすいようにする、という点はコミュニケーションなど伝え方にも通じることだと思っています。

ヘンリーはこの1年メンバーが増え急拡大してきました。
バックオフィスチームに所属していると、全てのメンバーと関わる機会があります。メンバー1人1人に直接対応することも多いです。
そしてリモートワークをしているメンバーが多いので基本的にSlackなどでのやり取りが多く、文字だけで説明しようとするとついつい文章が長くなり、相手の認知負荷をあげてしまっているなと感じることがあります。
今年たくさんのメンバーと様々なやり取りをする中で工夫したいなと思っていた点でもありました。

最近では相手への認知負荷を下げるために、情報を切り分けて二段階にしたり(文章を最小にして説明はNotionページへ飛ぶような案内にしてみたり)、また、週1の全社ミーティングでキャッシュ状況の報告をする際にも、キャッシュに興味のない人にも届くように、専門用語を使うのはやめ、なるべくシンプルにかつ1番伝えたいことを伝えられるように情報の出し方に試行錯誤しています。

まとめ

今回キャッシュ表を作ったことで認知負荷というものを意識するようになりました。
そして認知負荷について考える機会により、相手に何かを伝える際に、認知負荷を下げて1番伝えたいことを伝わりやすくする、そのために相手の理解度に合わせて情報の粒度を変えるなどの工夫も必要だということにも気づきました。

と言いながらも、結局この長々とした文章を書いてしまったので、まだまだ勉強が必要ですね!
ヘンリーは2023年も急拡大しましたが、来年2024年はさらに拡大予定です。バックオフィスチームでもたくさんのメンバーと関わることになるので、2024年も相手へ合わせた上手な伝え方を考えていきたいなと思っています!


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