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ママと、マミー

琢磨とデートする時は、大体手を繋いでいた。
キャッチャーをしてるから、大きな手で、恋人繋ぎしてもしっくりくる。
ときめいてくれてなくても、一緒にいる時は、手を繋いでくれる。

多分街中を歩いていたら、社会人と学生のカップルには絶対に見えなかったと思う。

いつも、琢磨が好きなアメカジの店に行く事が多かったけれど、その日は私の買い物に付き合ってくれた。
手を繋ぎながら2人で他愛のない会話をしながら、ショッピングをするのが好きだった。

百貨店の化粧品売り場に行った時、急にあり得ない位、手を振り解かれた。
びっくりして前を見たら、毛皮を着たマダム3人組がいた。毛皮着る人なんてなかなかいないよなーと思っていたら、琢磨のママだった。

マー君と甘い声を出して琢磨を呼び止めた。
私の事はチラ見した後視界に入れないようにしていた。
2人でこそこそ話していた。低い声でママと言っていた。
ママと別れた後、何事もなかったように手を繋がれた。

紹介とかないんかいと思ったけれど、あの毛皮のド派手なマダムに紹介されても、上手に挨拶出来る術がなかったので、良かった。

それからしばらくして、今度は、琢磨の家にいる時に電話が鳴った。電話を取るなり琢磨が、マミーと言って話し出した。
マミーは、おばあちゃんの事だった。
ママと、マミー呼び、落ち着いていても社会に出てないから、まだまだ子供だなって思った。
無限大のキラキラカードが使えるはずだなと思った。

その後何日かして、琢磨が、ママが綺麗な子と歩いてたねと言ってたよ。でも、マミーからは、年上の看護師とか絶対やめろって言われたと言った。
まあ、大体お金持ちの人は、家柄気にするし、医者も結局お嬢様と結婚してたから、言われるだろうなとは思ったけれど、正直に付き合っている事を話してくれた事は嬉しかった。

私と別れた数年後、結局琢磨は、お見合い相手と結婚したと聞いた。結局ママと、マミーのお気に召す人と結婚した。


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