見出し画像

中学受験 終焉

大雪が降って来て、バス停には長蛇の列、息子にどうしようかというと、歩いて帰ると言った。
降り頻る雪の中2人で傘をさして駅を目指した。

息子の声は高揚していた。
国語は簡単だった。算数は、ワンチャンいける。社会、理科は6割ギリいけてると思う。
中学受験とはいえ、超難関校ともなれば、私がもし問題を見たとしても自信を持って答えれる訳もなく、とりあえず、寒い中駅の近くの、モスバーガーに入った。

お昼のお弁当も用意していたけれど、あまり食べれなかったみたいで、ハンバーガーを食べながら自己採点をした。国語は、得意科目だけあって8割近く取れていた。後の3教科は、6.7割と言った感じで、塾の先生の6割取れていればいいは、自己採点ではクリアした。

あくまでも自己採点、甘く見積もってるかもしれないし、どちらに転んでもいい心構えと、市内の進学校には合格して教頭先生から是非うちの学校にきてくださいと電話まで貰っていたので、取り敢えず、落ちてもそこにいけばいいという気持ちで合格発表の日まで過ごした。

今はおそらくインターネット合否になっていると思うが、息子の時までは、この学校だけは、正午速達で合格発表というレトロ方式の合格発表だった。

息子の小学校からこの学校を受けた子は10人ほど、そのうちの1人が、同じマンションの一つ下の階に住んでいた。合否の速達は、上の階から来るのか、下の階から来るのかは知らないが、同じドキドキする時間を下の階家族も味わっているのかと思うと親近感が湧いた。

正午近くインターフォンがなった。息子がインターフォンに出て通知を受け取った。
こういう時だけ大吾は登場して、息子が封を開けて中身を確認するのを待った。
息子が興奮して封筒の中身を確認すると、「合格」の二文字が見えた。

合格するはずがないと思っていた大吾が、私以上に喜んで息子と喜び出した。それには少し違和感を覚えたが、息子が興奮して雄叫びを上げている姿が、嬉しいのが反面、1時間半な通学時間の学校生活大丈夫かなという気持ちももちつつ、思いっきり息子を褒めてあげた。

それから間もなく、下の子も合格したことが判明した。結局小学校からは4人合格したが、一人は関西の有名私立中学にも合格したので3人がその学校に通うことになった。

12月E判定をもらってから、結局受けた中学校は全部合格した。これはかなり自信には繋がった。

塾に、合格の知らせをすると、先生たちみんな驚いていた。正直息子はダークホースだった。塾の合格速報に、息子に名前が掲示された。

それから数日後、ママ友から、「誰々君のお母さんが、⭕️君が受かったのだけは許せんと言ってたよ」と言われた。おめでとうモードで数日過ごしていたので、息子の合格が許せない事を面と向かって言われ戸惑った。

でも、もし息子が落ちていたら、そういう気持ちになっていたかもしれない。それくらい、中学受験は親子受験と言っても過言ではないことを身をもって体験できた。

そんな思いまでして入った、難関中高一貫校の卒業までの道のりは、受験以上に親子共々大変な茨の道となった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?