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同じ苗字の男友達

職場に、同じ苗字の、研修医がいた。
私の苗字はすごく変わっていた。
漢字は少し違うけれど、同じ苗字の人に出会う事は、殆どなかった。

そのせいではないけれど、先生とは、歳も近いということもあって、すごく仲良くなった。
琢磨と別れそうな時も相談に乗ってくれたり、先生の恋愛の相談に乗ったりもしていた。

先生は、「結婚できんかったら俺がしてあげるよ」と冗談でよく言っていた。

それから、私は琢磨と別れ、先生も彼女と別れてフリーになった。
先生は、彼女と別れた後、私の同期が気になると言い出した。私が一番仲のいい同期だったから、一緒にご飯に行ったりしていく中で、2人は付き合う事になった。
私とはタイプが違う大人しくて可愛い子だった。

ある日2人で飲みに行った帰りに、部屋に誘われた。
友達に悪いしと言って断ったけど、俺たち友達でしょって言われたから、部屋に上がった。
途端に、先生は、男になった。

友達って思ってた人とそういう事になるのは、照れ臭いし、何より友達に悪いなと思いながら、どこかそうなるんじゃないのかなとは思っていた。
寂しかったから受け入れてしまった。
何度か誘われた。何度目かで絶対に2人では会わないと断った。

その後もその子と先生は付き合ったていた。
4.5年付き合ったんじゃないかと思う。
その間も、時々3人で一緒にご飯を食べに行ったりしたけど、私と先生は何食わぬ顔をしてご飯を食べた。

多分、先生達が付き合って3.4年くらいした頃から、2人にも結婚話が出た。
でも、やはりそこで問題になったのが家柄。同期の子の家も決して悪い家柄ということもなかった。いわゆる普通のサラリーマンの家庭。
それでも、先生の母親からは、許してもらえなかった。

1年くらいして2人は別れた。
その後同期はすぐに他の人と出会い結婚した。

それから、毎年同じ時期に、私のところに先生から電話がかかってきた。
まず、同期が今どうしているのか近況を聞いてきた。
そして、お互いの近況を話しして1時間近く話をした。
気は合うから、笑いも絶えなかった。

自分は、逆玉位の勢いのお嬢様と結婚したらしい。

4年目も、やっぱり電話がかかってきた。
その時、私は、育児真っ最中だった。そんな時に過去の恋愛相手の近況を聞く為に連絡してくるなんて、少しイラついた。それに、同期は職場を辞めていてので、たいした情報もなかった。

「もうかけてこんで」と言ったら、すごく戸惑っていた。
彼の中では、いつでも話を聞いてくれる女友達だったのか、この関係が永遠と続くと思っていたのか、わからないけれど、なかなか電話を切ってくれなかった。
でも、正直迷惑と言って電話を切った。

それ以来電話はなくなった。

その時期になると、先生を思い出す。
今思えば、同期の話もだけど、たわいのない日常の話を、一年に一回するような人いても良かったのかなって思う。

先生が活躍していることは、名前を検索すると今でもわかる。
同じ苗字だったけど、旧姓だから今は違う。
でも、今でも応援している。



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