バレンタインデーに職場でチョコを配るのをやめた理由

私はかつて、職場でバレンタインデーにチョコを配っていた。別に強制されてではない。自発的にやっていた。
単純に、人に何かを贈るのが好きだったからだ。
贈り物を選ぶのは楽しいし、ありがとうと言われるのは嬉しい。
お返しがなくて構わない。お返しがなかったことは無いが、例えお返しがなかったとしても多分私は配り続けたと思う。
そんな私だが、もう数年前からバレンタインデーにチョコを配るのはやめている。
その理由について今回は書いていこうと思う。

その理由は、一言で言うなら「職場内で中堅になったから」である。
別に「こんなおばさんから貰っても嬉しくないでしょ」などと言う卑屈な考えからではない。(確かに私は見た目も年齢も紛うとこなくおばさんだが)
ここで言う「中堅」とは「立場」のことだ。
中堅の私がやろうと言えば、否応なく部下や後輩の女性職員を巻き込むことになる。それこそ強制的にだ。
若い頃はそれで良かった。私が「やりましょう!」と言っても皆が大目に見てくれた。
自分はやるつもりが無かった先輩や上司の女性職員も、義理チョコは別に嬉しくない男性職員も、一番下っ端で若い私の行動だからと大目に見て、イベントに付き合ってくれた。
だが私はもう一番下っ端ではない。中堅だ。中堅だからこそやらなくてはいけないことがあるし、やってはいけないこともある。
なので私はバレンタインデーのチョコを配るのをやめた。

それでも毎年この時期になるとソワソワする。誰か若い子がそういうのが好きで「バレンタインデーのチョコはやらないんですか?」とか言い出さないかな、とか思っている。
そしたら贈り物好きの私は、ここぞとばかりに目一杯乗っからせてもらう。
そんなこんなする内、今年のバレンタインデーも何事もなく過ぎ去り、無事私は中堅としての役目を果たすことに成功した。

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