シナリオシステム〜五日目から六日目まで〜
▽ディストピア、君の笑わない日に
▽智“ホワイトデーから二日後、俺は為譜さんの悩みを聞いていた。夜寝るたびに仕事や人間関係のスランプで魘されるらしい。“
▽智“あのホワイトデーの夜、追加で何人か加わってみんなで馬鹿騒ぎを、宴を催したんだ。“
▽智“栞さんは小説を書いていて、為譜さんとは旧知の中らしい。“
▽智“宴の中でイスカさんがステアを使って無秩序な場を見事にコントロールしていた。“
▽智“『ヘルメス』の噂を聞き街を歩いては辿り着いた店『Megistus(メギストス)』。それがあの店の名前だ。昼間は併設された不思議な雑貨屋をイスカさんとシドで経営している。二人とは学舎を共にしていたが卒業してから会うのはそこが初めてだった。自分が休日の日は、俺を含めた何人かがスタッフとしてヘルプに入ることもある。“
▽智“雑貨屋の方の『Megistus』には珍妙な品が多い。呪いのアイテム屋と揶揄されることもある。扱っているのはピンキリだが確かにマジックアイテムだ。呪いに相当する品も、探せばあるかもしれない。イスカさんが販売することはないだろうが、興味本位で欲しがる人はいるだろう。表向きは中古雑貨店だが。“
▽智“あの夜の宴のあと、幸運にも栞さんと為譜さんに話しかける機会に恵まれた。シドの根回しだが、素直に感謝する。そこで二人の関係性がルームメイトであることを知った。栞さんが物語を書き、為譜さんが曲を作る。ネット配信を使って二人でシナリオ形式の楽曲も提供しているらしい。“
▽智“最近ずっと二人とも仕事が振るわなく、各々街に出ては、アイディアを捻出し、Megistusで打ち合わせをするらしい。“
▽智“そんな中で栞さんは小説を書けているらしいが為譜さんは手が進まないそうだ。“
▽智「…添い寝ですか?」
▽為譜「はい、お嫌じゃなければ。その、お願いします🫣。」
▽智“心を落ち着けようと出されたお茶を一息に煽った。だが彼女の魅力の前では喉を潤すことしか出来ない。彼女のいじらしさに俺の中の情欲(リビドー)が猛る。この女を抱けと。ただ今はこの人だけを愛し、三日三晩でも一週間でも交ぐわえと。例え種が貧弱でも三日も交ぐわえば確実に子を成せる。三日間貪るように愛したのなら、四日間慈しむように愛せと。“
▽為譜「智さん?」
▽智“彼女の声が脳髄に響き渡る。全身で感じた為譜(イフ)が情欲を駆り立てる。気づいたら彼女を胸に抱きしめていた。狂おしいほどに肺が酸素(彼女)を求める。抱き止めた腕の感触に体温(彼女)を感じる。しかし驚いた彼女の瞳は事態(俺)を認識するのに時間がかかるようだ。“
▽為譜「智…さん?」
▽智“潤んだ眼(彼女)に唾液が湧き出る。身体中の粘膜が彼女の蜜を飲み下すことを欲していた。体液の交わりに神話を観るように、ただ彼女だけが世界のすべてだった。“
▽***「濡れ場ーーーー!!!!!!!!」
▽智“為譜(彼女)と智(俺)の身体がビクついた。少し迸りが出ていたかもしれない。パンツを確認するより先に、目の前の修羅場によって現実が舞い戻る。“
▽栞「続けて。」
▽智“鼻血を親指でピッと飛ばすと栞さんは情気した顔でそう言った。この場に正気を保つ人は居なかった。“
▽為譜「っ…」
▽智“唇の激突が自分の歯に衝撃を与え、鉄の味がする。二人の舌が生き物のように交わった。
▽***“………………。“
▽三人「「「凄かった。」」」
▽イスカ「マンドラゴラの霊薬はどうだった? (*´ー`*)」
▽三人「「「凄かった。」」」
▽イスカ「ただの精力剤なんだけど、効果抜群みたいね高麗人参…。」
▽三人「「「もんのすんごい凄かった」後でリピっていいですか?」」
▽イスカ「毎度〜。」
〜続く〜
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