自然界のふしぎ 2
今回もまた自然界(=昆虫)にまつわる記事です。
ゴキブリの仲間であるシロアリは、朽木などの植物遺体を食べるゴキブリの中から社会性を特に発達させた系統の昆虫だ。
家の材木を食べるため、日本では害虫に分類され、駆除業者も存在するほど。
日本の南西諸島には地下に巣をつくり、オオシロアリタケというキノコと共生関係にあるタイワンシロアリや、樹上にスイカほどもある大きな巣をつくるタカサゴシロアリがいる。
また海外には高さが3メートルを越すような大きなアリ塚をこしらえるものもいる。
オーストラリアのステップ地帯をバスで移動中に英語圏出身の外人観光客がさかんに「until」(アンティル)と言っていたので、道内出身の日本人観光客のひとりが「What’s until」(〝まで〟とは何だ)と訊いたところ、Anthill(アントヒル・アリ塚)だったという逸話が残っている。
それだけ、窓外にはアリ塚がニョキニョキ建っていたのだ。
また、次項で詳述するが、昆虫食の対象として、トカゲやチンパンジー、オオアリクイ、クマなど、シロアリを好んで食べる動物は少なくないが、ヒトでも食料とする地域や民族がある。
それは繁殖期に巣外に大量に出現する生殖虫、すなわち雄と雌の羽蟻を集めて食料とするのが普通だ。
スーダンなどアフリカ諸国ではこれらの羽蟻を採取し、油で揚げて販売するし、フィリピンではすりつぶし、スープの具にする地区も。ほかにも中国・雲南省やタイ北部でも生食やスープなどにして食べられている。
シロアリには6%程度のたんぱく質、0.1%程度の鉄分が含まれ、栄養価値は高いと言われている。
シロアリが食用としてヒトの食卓に供されることはわかった。
ならば昨今話題の昆虫食はどうだろうか。
まずはコオロギであるが、列挙してみるとコオロギラーメン、コオロギ味噌パン、コオロギビール、コオロギクッキーなど。ほかにはミックス昆虫(チップス)、タガメサイダーなどがある。
筆者の食べた昆虫はイナゴの佃煮だけである。文字通り佃煮の味がした。イナゴは純植物食であるから、食用にしても何ら問題はないだろう。私の母親などは戦時中、時期になればしょっちゅうイナゴ獲りをやっていたという。少し前まではデパートでも売っていたが、ここのところ店先にはないという。
コオロギはどうか。
筆者はエンマコオロギを飼ったことがある。しかし、数匹まとめてケージに入れていると必ず共食いを始めるのであった。
コオロギはゴキブリに近い仲間であり。早く言えば「ゲテモノ食い」をするのである。
そんな雑食性のコオロギがパウダーにされてパンやクッキーに混ぜられ、それを食うヒト、つまり消費者はそのフンまで食わされることになる。
またコオロギは漢方では「不妊薬」に分類されるという。
昆虫食全体では、それを摂り続けているとX染色体にダメージがあるとも言われる。
ほかにはチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫であるイエロー・ミールワーム(イモ虫)などがEUに承認された。
だいたい、先の「タガメサイダー」なんて、サイダーだけで充分だと思いませんか。
食用コオロギの飼育には、政府で補助金が出されているという。一方で、飼っている牛を一頭処分すると15万円もらえるとのこと。いくら食糧危機が迫っているとはいえ、やりすぎ感があるよ。
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