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【読書記録】後藤達哉『続けない働き方。』【考え方で世界は正反対に変化する】

生まれてしまったからには、生きていくしかない。
死にたいわけではないけれど、生き方にずっと悩んでいる。
夢がある人はいいな、生きる意味がある人はいいな。
そう思っていた気がする。
その考え方は、多分間違っていたんだと本書を読んで感じた。
夢がある、生きる意味、というのは固定したものではなく、変動しているものだ。
それはきっと、降って湧いて出てくるのではなく、面倒くさがらず、逃げず、自分と向き合って向き合って、自分に正直になる勇気が必要なんだと思う。

続けない働き方。 / 後藤 達哉【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)


 僕の周りの起業家たちも「『不』の解消」を目指すことがきっかけで、事業を興している人が多い。マイナスの感情――自分が不便だと思ったこと、辛かったこと、許せないという気持ち、二度と同じ想いはしたくないといった強い「不」ときちんと向き合って、それをサービスやプロダクトで解決しようではないか、という「想い」が起爆剤になっている。
 具体的には、若い頃の挫折など、「不」の体験を考えてみること。やらずに後悔していること、嫌な想い、繰り返したくない感情に浸ることが大切だ。(中略)
 自分の過去を振り返り、自分と向き合い、後悔をしっかり受け止める。そして、その「不」の体験自体、自分が選択してきた結果だと認識してほしい。

p.59

 僕は短命の人を間近に見てきた。長く耐えてきた仕事人生を終え、これから晴れて第二の人生のスタート、という時に亡くなった父。30代でこれから子育てをというタイミングで急な病で倒れた人。前途有望な20代で自ら命を絶った者も、周りにはいる。
 否応なく「死」をどう捉え、どう向き合って「いま」を生きるかを考えさせられてきた。人生は短くもないし、長くもない。
 そう思うと、「他人のモノサシや価値観で生きて、他人の命令に従い、死んだ魚のような目で満員電車に乗る日々をいつまで過ごすのか?」という問いが持つ意味は大きい。

p.66

 自分の価値観に「違和感」を抱いたまま働き続けていくと心がすさみ、マイナス思考に支配されていく。
 仕事には必ず運が必要で、何をするにも運が強い人にはかなわない。(中略)
 運の強さは、いまある仕事を楽しみ、真剣に取り組んで、自分が勝てるポジションをわきまえている人にやってくる。つまり、自信があり、好きなことに熱中しているため、本質が見えてくる。お金も、使い方の本質がわかる人に回ってくる。そう考えれば、シンプルな話だ。

p.74~75

 百獣の王と言われるライオンでさえ、戦いには一歩下がることを知っている。強さは、弱さを知るからこそ身につけられるスキルでもある。
 それでも、自分の素直な感情に向き合えず、他人を気にしたり、先の不安に恐れを抱いて動けないならば、身近な欲求に従うことから始めてほしい。(中略)
 素直に感情に向き合うその習慣を地道に繰り返すだけで、心が少しずつ軽くなり、「感情に素直に向き合うことが楽で、気持ちいい」という感覚に慣れてくる。
 逃げることは諦めることと同じ。でも、「諦める」というのは、ずっと言ってきているが悪い意味ではない。大和言葉の「あきらめる」の語源は「明らかにする」というニュアンスで、「諦」という漢字は「詳らかにする」という意味。己を取り巻く環境を明らかにして、きちんと自分自身を観る。それが「諦める」という言葉の、本当の意味だ。

p.113~114

 何事も焦らず凡事徹底(簡単そうなことも、徹底すれば一流になる)が大切。本気で学ぶ、真似ることから本質が見えてくる。
 本質が見えてこそ、本物へと脱皮していける。

p.123

 生きていく未来に不安しか残らないから、どうしても目に見えるお金にばかり執着してしまう。
「やりたいことをしたい!」「好きで得意な仕事がしたい!」という気持ちが出てくる一方で、それをやったところで稼げない、生きていけないという気持ちが、感情に「どうせ無理に決まっている……」という思考の分厚いフタを被せてしまう。
 解決策なんて一つしかないんだよ。
 それは、「目に見えるお金に縛られる生き方・考え方を捨てる」こと。そして自分が楽しくなること。やり甲斐を感じられること。いまを頑張れることにお金を使うという思考をとること。それしかない。
 そのためには、働き方を根本から変える勇気が必要だ。
「いまを生きる!」という、人生初めての選択を自分で下そう。
 遥かかなたにある理想の世界を追い求めても何も生まれない。
 できることしか人間にはできないんだから。いまできること、いまを真剣に生きることしか、解決方法なんてない。

p.140~141

 幸せの感じ方は、自分自身の生きる目的のど真ん中に何を基準に置いて判断しているかで、面白いように変わる。
 社会や親の価値観、他人軸で生きるビビリーマンは、
「豊かさ←《お金や肩書》→自由」
 と考えてしまいがちだが、フリーダムサラリーマンの思考は、
「豊かさ←《感謝》→自由」
 という構図になっている。
 人の成功や失敗、幸せや不幸せという概念は、外側にある環境によって左右されるものではなく、自分の心のベクトル次第である、というのが正しい答えなのだ。

p.164~165

 やってみたいと思うことがあるけど、勇気が出ない。行動できない。
 ましてや、覚悟なんて大それたことを……と思ってしまって、自分にはできない。できる人だからできるんだと思い込んでしまう。
 この、「自分にはできない」という思い込み。
 じつは、できないと言うより、できることのイメージが湧かないため、できない怖さより、「できる怖さ」と潜在意識で感じているからだそうだ。(中略)
 そもそも、奮い立たせなければできないこと、やれないことって、本当にやりたいことなのだろうか?
「椅子に座るのに『勇気』がいりますか?」。こんなたとえを、スピリチュアル界隈では超有名なバシャールが言っていた。(中略)
椅子に座れるという「観念」を持っているから座れるのだと。心理学的には、自分に「許可」できているかどうかと捉える。つまり「許可」していない状態では、奮い立たせたり、勇気や気合いが必要になってくる。

p.186~188



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