気づけばぼくは、羊水の中にいた。
まだ母親の中にいて、生まれる前のようだ。
…どうして、今の「ぼく」にそんなことがわかるのだろう?
「ぶらんでぃっしゅ」というタイトルに惹かれて読み始めました。
この言葉の意味を人生をかけて追う内容です。
生まれた瞬間から聞いたこの言葉。
これが何を意味するのか?
そして、最初から「知識」だけは持っていた、「ぼく」は誰なのか?
…もしかしたら、するどい方は途中から薄々気づいたかもしれませんが、私には衝撃的な「ぼく」の正体でした。
あと、個人的に大好きな作家の森博嗣さんが「スペシャルゲスト」となっていて「どういう意味だろう?」と思っていたら、本文に登場されていました。
いや、いいですね。
好きな作家さんがこういう形で出てくるのは嬉しいです。
(名前や作品名が、絶妙な感じです)
以下、ネタバレなしで印象に残った部分を引用します。
主人公ナイトの人生が進んでいくうちに、「これはどういう意味だ…?」ということがどんどん増えて、ある瞬間にゾワッ…として、一気に読んでしまいました。
自分にも起こりうる恐怖感と、家族愛と、色んな気持ちに襲われながら、結果的には穏やかに読み終えられて良かったと思います。