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第9回耽楽的楽曲紹介 親父のレコードコレクションから気になったアーティスト

第21回_実家滞留記_文化資産の継承作業_2024.6.6|耽楽的音声記録 (note.com)より。
レコード店店員、資料を濫読する大学院生みたいな感じで実家のレコード一覧表を作成する中から気になったものを紹介。

1: Tom Waits
音楽 | Tom Waits (bandcamp.com)
低いだみ声で叙事的な作品世界を展開する感じがコレクションの中でも異質でBANDOCAMPも登録していて今後深堀したいと思います。

2: Back Street Crawler「It`s a Long Way Down To the Top」

特に時代を感じさせない曲で気に入りました。歌詞が欲しい所…頂上へ落ちていくという逆説もいい。
幸い歌詞をどうにか入手し、せっかくなので訳を紹介致します。
既にFree(親父のレコードコレクションにも複数あり)で活躍していたギタリスト、ポール・コゾフがこの時代おなじみのメンバー不仲による解散後に結成したのがBack Street Crawlersで、本作は1973年に発表されたグループ初アルバムに収録(アルバム名=バンド名)。ボーカルはTerry Slesserが務めるが、本作では泣きのギターで有名らしいコゾフの伴奏もボーカル並みに「下り道」へ入ってしまった哀愁を奏でています。
曲名が至極安易な「Long Way to the Top」だったら聴きもしなかったでしょうが、ありきたりな定型になりそうなところに「Down」が入るセンスはこの3年後に薬物中毒で急死するコゾフの達観を感じずにはいられません。ロックの道はまともに先を考えていれば(looked ahead)まず選ばない道であり、その道を選んだ時点で道は下り道でしかなかった。その「頂点」なんてものはむしろ落ちるまで落ちた地点なのかもしれない…

It`s a Long Way Down to the Top
頂上への下り道

Well I have been playing Rock`nroll now
ロックンロールを演奏してきた
but Half a million years
たかが50万年
And the road to success
その成功への道は
might be call the trail of tear
涙の道と呼ばれるかもしれない
now I don`t mean to sound bitter
苦々しく聞こえるかもしれない
But I surely had my fun
だが確かに楽しかった
But if I could have looked ahead
だけどもし先を見る事ができていたら
I might have never had begun
ロックなんて始める事もなかったかもしれない

It`s a long way down
それは長く下る道
To turn your head around
君が振り返るには
It`s a long way down
それは長く下る道
To the top
頂上へと
It`s a long way down
それは長く下る道

But I knew that fame and fortune
だが富と名声が
Would surely come my way
必ずやってくるとは分かってた
But the thing I did not realize
しかし気づいていなかったのは
Was the price I have to pay
そこで支払わなければならない代償だった

I thought I beat the devil
悪魔を打ち負かしたと思っていた
But I had to guess a game
だがゲーム自体を疑うべきだった
Cause the man who wrote my contract
俺の契約書を書いた奴は
Sure looks a lot like hell
間違いなく悪魔みたいだったから

It`s a long way down
それは長く下る道
To turn your head around
君が振り向くには
It`s a long way down
それは長く下る道

ohhh sure looks a lot like. hell
確かに、似てる 地獄に

Yes it dose
そうだ

Oh it`s long
ああ、長い
such a long
それは長い
such a long way
それは長い道

God it`s long
神よ、長い
such a long
それは長い
such a long
長い

God it`s long
such a long
Oh yeah to the top
頂上への道は…


3: The Boomtown Rats「I Don`t Like Mondays」

The Boomtown Rats - I Don't Like Mondays (Official Video) (youtube.com)

1979年のアメリカで起こった女子高生による銃乱射事件を題材にして事件後数ヵ月で発表されたふざけた曲。売れたからいいものの、やってる事は便乗商法みたいなもの。
なんとあのバンドエイドは彼らが発起人となって計画されたっぽいので驚き。今となってはこの曲以外で知られることもなさそうな人達ですが、そのへんの奇抜な事をやろうとする勢いは大したものです。

4:  Contry Joe Macdonald&Fish「Feel Like i‘m Fixiing to die rag」

Country Joe Mcdonald - Feel Like i'm Fixing to Die Rag - Woodstock '69 (youtube.com)

元軍人でウッドストックで反戦歌を歌った人。明るく戦争を皮肉った姿勢がカッコいい。「何のために戦ってるかなんて分かるか、どうせみんな死ぬんだから」得するのは国と武器商人と葬儀屋だけ、というのは「War」でも叫ばれておりました。

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