ウィングレットと初列風切
「大型鳥類は着地直前に初列風切羽を広げる事がある。考えられる理由を述べよ。」
大学の時、レポート課題のおまけで、上の問題(採点外)を出されたことがあった。
(鳥類の初列風切は通常10~11枚ありますが、上の図はわかりやすくするために、かなり簡略化して書いています。あしからず)
当時は、出題した教授も理由は分からないと授業で話していた。
私は何も思い付かず、結局回答しなかったが、数年経ってB787のウィングレットを眺めていて思った。
これか!?
ウィングレットというと、主翼の先がペコッと立った形状(Boeing)か鏃のような形をした板が翼端に付いているもの(Airbus)が大半だが、B787は上の図のように翼端が少し後ろにせり出した形をしている(垂直に立ててはいない)。
ウィングレットは、主翼上面の空気が主翼下面に流れ込む事でできる翼端渦を防止して抵抗を減らし、飛行効率を上げようというもので、最初に付けたのはAirbusだった。その後、Boeingがちょっとかっこよくした(いつもの流れである)。Boeingによると、翼端をたてなくても、B787のような形状で同様の効果を得られるらしい。
とすると、大型の鳥類の初列風切も同じなのではないだろうか。
着地直前はスピードが落ち、揚力が得にくくなる。初列風切を広げることで一時的にウィングレットを出現させ、抵抗を軽減して揚力の減衰を補おうとしている。
先生、10年以上かかりましたが回答します。
いかがでしょうか。
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