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13年前の僕へ

13年前の僕へ

元気ですか?
ものすごい揺れがあったね。
君は長岡の自宅にいたからすぐに外に飛び出したと思う。
地面がうねり曇天の空に不安を覚えたことだろう。

その日、お湯で温めて食べたレトルトカレーの味は今でも覚えているよ。


4月になったら君は札幌にある大学に行ったね。
東日本大震災の後だったから荷物を送ることが難しかったので、家具家電付きの学生マンションに引っ越したっけ。

それでも一人見知らぬ土地でフライパンやら鍋やら調理器具や収納ケースをホームセンターで買い集めたね。
偉かったよ。

入学式の日に東日本大震災の被災者に向けて黙とうした時、君は少し涙ぐんだね。

東北では辛い思いをしている人が沢山いるのに自分だけ未来に期待を膨らませるのは何か違うんじゃないか。
そんなことを考えていたのかな。

君は札幌に避難してきた被災地の家族にレクリエーションを提供するボランティア活動に参加したこともあるけど、いつも後ろめたさがつきまとっていたのかもしれない。

昔の日記を読み返すと、
ボランティア活動は限定的だ。
いずれは下火になる。
一時的には社会貢献している気分を味わえるけど、被災地の人の生活再建に向き合うには長期的な視座に立って行動しないと。

そんなことを書いたね。

だから君はボランティア活動よりも自分自身ができることを一生懸命にやろうと考えたんだね。

希望する大学に入学できたのだから誰よりも勉強する。
朝一番で図書館に入り、講義を受けたらすぐに復習して、夕ご飯を食べ終えたらまた図書館で勉強する。

そんな生活を送っていたね。

努力は人を裏切らない。
継続は力なり。

という言葉が好きだった。

君は大学4年間ずっと成績優秀者で表彰され続け、学部を首席で卒業したんだよ。皆の前で表彰される予定だったけど君は辞退したね。

色々なことがあって就職活動で挫折を経験して卒業式を欠席するんだ。


もしも大学4年生に戻ることができたら、僕は君に伝えたい。

たとえ自分が惨めに思えても他人と比べてカッコ悪い自分であっても、節目を大切にした方がいい。だからね、卒業式には出席した方がいいんだ。
君の友達や後輩は君のことを嘲笑ったりしない。

素直に「卒業おめでとうございます」という言葉をかけてくれるよ。
僕は卒業式を欠席したことを今でも後悔している。

人生における節目を意識することで有限の時間を慈しんだり、もう二度と会えない恩師や仲間のことを大切にできるのかもしれない。

そんなことを思いながらインスタライブではレミオロメンの3月9日を歌った。

今日も皆様にとって、良い一日でありますように。

大丈夫、きっと未来は明るい。
君に渡す沢山の花束を抱えて未来で待っている。

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