科学的直観を養うには
今日はフロンティア軌道理論でノーベル化学賞を受賞した福井謙一先生の言葉を紹介する。
数万語を費やしても一人の人間の顔を叙述し尽くすことができないのと同じように、クロッカスの花の微妙さは、叙述では竟に認識され得ないであろう。
自然とは、そういうものである。そのように底知れぬ奥深さをもっているものなのである。自然科学的な自然認識の中で科学の創造性に最も影響を与えるのが、所与性の自然認識だと私が考える理由は、ここにある。複雑かつ単純でもある自然と取っ組み合う自然科学者は、あるがままの自然を直接に認識する、この所与性の自然認識によらずしては、科学をおし進める理論を創造したり、法則を発見したりすることはできない、と私は思う。(「学問の創造」p35)
続いて福井先生は科学的直観を養うためには、自然の中に浸り、自然と触れ合う中で、自然のありのままを受け取ること、「所与性の自然認識」に慣れ親しむことであると述べていた。
個と全体との関係性を重視する中で、二元論で割り切らずに余白や曖昧さを残しておく。
科学の分野においても人間と自然を分け隔てることなく、自然の中に存在し、時に一体となりながら感じること、観察することは大切なのかもしれない。
今日も皆様にとって良い1日になりますように。
たくさん間違えた分だけ発見がある。
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