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読書録

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読んだ本の感想などです。
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2024年1月の記事一覧

小説『魔の山』 と、いわゆるスクールカーストの神秘を考える

小説のここまでの大まかな展開トーマス・マン『魔の山』がようやく終盤に差し掛かってきた。1,500ページの極めて分厚い本なので、終盤だけでもほぼ400ページはある。 この作品ではここまで主人公の教育係的存在の小洒落たイタリア紳士を始めとする非常に頭脳明晰な論客が、巧みな弁論を続けてきた。彼らの終わりなき議論、討論やその他の様々な体験を通じて、主人公のハンス・カストルプは感化されてきた。 そして彼はきわめて多様なことを考えさせられながら、人間的に成長してきている。 以下、微妙

読書録「冷静と情熱のあいだ」

昨日の記事で努力してもどうにもならないことがあると書きました。 その一つが恋愛。 はじめに誤解がないように申し上げます。 僕は現在、独身で恋人はおりません。 僕のnoteやインスタをご覧になっている方々のうちゴシップが好きな人が「あの人と付き合っているのでは?」とか勝手に推測され、正直迷惑しております。 この際、はっきり申し上げますがnoteやInstagram等のSNSをそのような出会い系目的で運用しておりません。 noteは日本語で日頃の僕が考えていることや感じ

映画感想「ビューティフル・マインド」

「ビューティフル・マインド」 実はこの映画も件の英語の講義で上映された。 恥ずかしながら講義で初めて鑑賞し思わず涙してしまった作品だった。 統合失調症に苦しみながらもノーベル経済学賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた映画。 ちなみに僕の大学3年生まで所属していたゼミはゲーム理論を専門に研究している先生のゼミだったのでナッシュとは全く無縁ではない。 余談で恐縮だが大学4年時に当時の指導教官が異動してしまったので卒業論文はゲーム理論とは全く関係のない労働経済

過去に提出したレポート課題

すっかり今日のnoteへの投稿を忘れていた。 これからオンラインで数学の勉強会があるので今日は過去に提出したレポートの投稿で勘弁してもらおう。 戦争倫理学オプションレポート2   経済学部2年 竹内康司 暴走する路面電車の問題 【case1】 「私」は路面電車の運転手で、時速60マイルで疾走している。前方を見ると、5人の作業員が工具を手に線路上に立っている。電車を止めようとするのだが、ブレーキが利かない。このままでは、5人の作業員をはね、全員が死ぬ(はっきりそうわかって

復興支援カラオケへの温かいメッセージを頂きありがとうございます。 皆様の善意とは裏腹にyoutubeから著作権侵害の恐れのためブロックしましたとの通知がきました…。 最新歌唱曲をUPしたものの削除される恐れがあるのでお早めに。 https://www.youtube.com/watch?v=Zxt3Q8cloAo

陽はまた昇る

部屋の掃除をしていたら大学生の頃、使用したUSBが出てきた。 恐る恐る中のデータを開いてみると過去のレポート課題のWordファイルがあった。 12年以上前のレポートだが誤字脱字を修正して転記する。 人文社会科学の基礎 課題レポート 経済学部経済学科1年 竹内康司 【論文タイトル】 湯浅 誠,2006,「格差ではなく貧困の議論を(上)」『賃金と社会保障』(1428):4‐21 注)この論文は(上)(下)合わせて四章からなる。私が読んだ(上)は1.不可視の貧困/貧困の不可

裏日本から、こんにちは。

明けましておめでとうございます。 昨年は僕の拙い文章をご覧いただきありがとうございました。 おかげさまで昨日までに4,000以上の「スキ」を頂きました。 今年も継続してユニークな記事を投稿できるよう精進してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。 さて、かつて新潟は「裏日本」と呼ばれていました。 その意味を分からず初めて裏日本という言葉を聞いた時の僕は、 日本を裏側から支える。 新潟は最高じゃないか。 と勝手に興奮しました。 コシヒカリをはじめとした米などの