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【POD CAST書き起こし】三鷹の森元さんに演劇プロデュースのことを聴いてみた:全5回(その2)どうやって劇場に招聘する劇団・作家さんを探しているか?

【山下】次のスライドに行ってみますが。

【森元】お願いします。

【山下】これ、ジョビジョバとか拙者ムニエルですね。

【森元】そうですね。

【山下】演劇フェスティバル。

【森元】これはですね、それで4年ぐらいやって、でも僕の中でこの若手の劇団とご一緒したいなって思いはずっとあったんですよ。

【谷】これは若手と。

【山下】ジョビジョバもね。

【森元】そうですそうです。観には行ってたんですね。ただ、オープニングフェスティバルのときにある劇団をお呼びしてお客さんが減った。まだうちに財力もないし、来ていただいたときに劇団にとってご迷惑をかけるかもしれないと思って1回ペンディングした。で、当時、ご存知かどうか……、パルテノン多摩さんで。

【山下】やってましたね。

【森元】フェスティバルやって。

【山下】小劇場フェスティバルね。

【森元】やってたんですよ。それが前日から仕込んで翌日の夜公演して1公演だけ。また次の日から別の劇団が仕込んで翌日みたいな。

【山下】毎回違う劇団の公演があるっていう。

【森元】そうなんです。5つぐらいの劇団がやるんだけど、やっぱりそれも素晴らしいことだし、あれ演劇ブックさんがやっとられたかと思うんですけど。

【山下】そうなんですね。

【谷】演劇ブック。

【森元】やっぱりほとんどゲネもできないし。

【山下】そうですよね。

【森元】仕込みも。1公演で終わりだから、やっぱりそれで一番良かったところが100万円とかっていうのを見せていただいて、いや素晴らしい試みだし参考にいろいろさせていただく中で、まずは普通の公演としてお呼びしよう。丸ごと。たとえば1週間。木曜日から日曜日とか。うまくいけば2週間とかお呼びしようというのと、あとお呼びする以上はいい劇団だと僕の中で思ってますから、どこが今年1位で100万円とかそういうのはやめようと思って。招聘する以上は素晴らしい劇団ということでお呼びしようと思ったので、ちょっと期を伺ってたんですね。先ほどから出てきたつかこうへいさんとかシティボーイズさんとかいろいろ[青木さん家の奥さん]とかやっていただく中で、少し体力もついてきたかなと思って、お声をかけたのがジョビジョバ。それから拙者ムニエル。ジョビジョバは最初に声をかけたときはまだ駅前劇場とかでやってて。でもすごく面白かったですよ。明治大学出身。

【山下】明治大学。マギーさん。

【森元】明治大学の出身でマギーさんとかね。すっごい、あ、ここはいいなと思って声かけたら一気に売れたんですよ。

【山下】売れましたよね。テレビに出るようになったから。

【森元】一気に売れて。一度ちょっと大手の事務所にも入られて。

【山下】そうだったんですね。

【森元】ジョビジョバさんは入られて。なかなかスケジュールが切りにくかったんですけど、なんとか切っていただいてジョビジョバ。もうその頃はテレビとか、もう深夜のジョビジョバのテレビとかやっとられたんで、もうお客さんが小劇場のお客さんを超えちゃってて。

【山下】そうか。

【森元】っていうぐらい三鷹に来て……。声かけたときはまだこれからっていう感じだったんだけど。

【山下】でもやったときはもうすごいテレビで。

【森元】三鷹に来ていただいたときはすごく。

【山下】大人気で。

【森元】拙者ムニエルさんは早稲田の演劇クラブ出身の。

【山下】そうでしたね。

【森元】村上君と。

【山下】村上大樹さん。

【森元】やっとられた劇団で、もうここもすごくスピーディで面白いんでお声かけて。この2つがネクストセレクションを始めるかどうかの試金石だったわけです。

【山下】じゃあわりと新しい小劇団を呼んで。

【森元】そうですそうです。

【山下】こういう感じの。

【森元】ここでまだお客さんが、三鷹でお客さん集まらなかったら、この2劇団でダメだったらまたちょっとペンディングだなと若手劇団は。それはやりたいんだけど、うちに力がない。だから劇団にご迷惑かけるんでと思ってやったところジョビジョバさんはこうなってもうすごかったですし、拙者ムニエルさんもものすごいお客さんいらっしゃってくださったんですよ。これは猫演劇フェスティバルっていうのはタイトルなんですけど、猫ニャーという劇団。

【山下】演劇弁当猫ニャー。あった。

【森元】後にね。当時は猫ニャーだけだったんですよ。

【山下】そうだったんですね。

【森元】最初猫ニャーだけだったんですよ。

【山下】そうかそうか。

【森元】後に演劇弁当猫ニャーになったんですけど。

【山下】猫ニャーって面白かったですよね。

【森元】ナンセンスでね。

【山下】池谷のぶえさんとかね。

【森元】そうですね。小村さんとか。

【山下】そうですね。

【森元】あとは猫のホテル。千葉さんの。

【山下】千葉雅子さんの猫のホテルでしたよね。

【森元】そこと一緒に。3劇団合同公演やりたいと。『拙者ムニエルだけ猫ついてませんけど?』って言ったら。

【山下】ついてないね。

【森元】『じゃあこの期間だけ猫拙者ムニエルになります』って言って。

【山下】いいですね。

【森元】小村君そういうちょっとひょうひょうとしたフラがあるところがあって。

【谷】それで猫演劇なんですね。

【森元】そうなんです。3劇団で猫演劇フェスティバルってやって。これはほんとにものすごいお客さん来てくださいました。

【山下】そうですか。

【森元】はい。びっくりするぐらい。当日券もものすごくて。これはほんとに僕とかじゃなくて村上さんの企画力だと思います。

【山下】でも当日結構人気な劇団でしたよね。

【森元】うーん、まあこれからだったと思います。

【山下】そうですか。

【森元】いや、もちろんそれぞれ力はあったけれども、そのどこかがもう2000人、3000人入れるっていう爆発しているっていうほどではなかった。それぞれが駅前劇場とかスズナリ。猫のホテルさんスズナリとかでまあ1000人前後ぐらいなのかな。でもいい芝居をやっておられる劇団だったからまだブレイクはしてなかったと思うんですけど、もう村上君の企画力で猫演劇フェスティバルはもう大ヒットして。

【山下】なるほど。村上さんが企画したんですね。

【森元】はい。手前みそな言い方をするわけじゃないですけど、小劇場のそういうわりと楽しい演目を公立ホールがやるっていうのがやっぱ珍しかったんだと思うんですよね。

【山下】たしかに、たしかに。

【森元】ほんとにこれからっていう劇団が何か楽しいことやってるっていうのは珍しかったと思うので。いろんな方に取り上げていただいて、雑誌とかにも取り上げていただいたりですとか。この成功があったので、よしじゃあネクストセレクションをやってみようと。

【山下】それが2001年ぐらい。

【森元】そうですね。

【山下】なるほど。これが三鷹市ネクストセレクションの過去のやつなんですけど、ちょっとまた後でスキャンしたやつを編集するんですけど。

【森元】先ほど言ったように、まあ最低でも普通に演劇の公演やってもらおうと木曜初日日曜。うまく話が折り合えば今は全部2週間で頼むんですが、当時は1週間と2週間は混在してました。

【山下】なるほどなるほど。

【森元】というのも、三鷹の客席があんなに自由になるっていうことを僕自身がまだ分かってなかった。

【山下】舞台の構造がですね。

【森元】できるっていうのが。

【山下】なるほど。そうだったんですね。

【森元】うちで仮設客席も用意してなかったし、だから『こういうこともできますよ』とは言いつつ、どこまでそれが対応できるんだろうっていうのがあったんで、わりと最初のうちは火曜日から仕込んで木曜初日、日曜終わりが多かったけど。でも、拙者ムニエルさんとかは最初からもう2週間やってたような気がしますね。

【山下】そうですね。

【森元】最初は猫演劇フェスティバルで出てもらった3劇団を分けて、やろうかなと思ったんですけど、猫ニャーさんが時期が合わなかったんだと思うんですね。

【山下】そうですね。にんじんボーンさんになってますね。

【森元】はい。それでにんじんボーンさん、僕が好きだった劇団だったので出てもらって。最初のうちはどこかが1等賞で100万円とかそういうのはなしと思ってたのは確かだったんですけど、2年連続とかもありかなと思って。だから、2年連続呼んでた劇団とかもあるんですよね。この枠の中で今後が期待される劇団でもう1年ちょっとやってもらおうかとかもあった。最近は、ほとんどそれいなくなっちゃったんですけど。初期のうちはそういう発想も持ってました。2年連続やってもらってもいいやみたいな。で、劇団の数も決めようとはしてなくて。3劇団から始まったんですけど、一番多いときは5劇団やったんです。

【山下】5劇団。

【森元】やってる年もあるんですね。今ずっと3劇団できてて、実は今年2劇団なんですけど。今後2劇団にしようかと思ってるんですけど、まあでもとにかく続けていけたらなと思ってますね。

【山下】今年で22年目?

【森元】になりますね。

【山下】すごいですよね。

【森元】まあ、僕の中ではだから、10回目のときも20回目のときも、20回目だからパーティとか、過去の人を呼んでとかそういうことはなくて、とにかく淡々と続けていく。

【山下】大事ですよね。続けていくの。

【森元】ことに意義がある。

【谷】同じテイストで、ですよね。

【森元】って思ってたんで、この年だけ華美なことをすると次の年の人にも悪いし、続かなくなってしまうかもしれないので、淡々と今、だから変な話だけど今はSNSとか多くて、バーンと発表したら「何であの劇団?」とか人それぞれ意見はありますね。だけど、僕の中ではもういろいろ観に行く中でここいいところあったなというところをお呼びしてるんで、もういろんなこと言われるかもしれないけど、それ仕方ないと思って、ただ、自分たちとしてはいいところがある。ただ、どこがというふうにはあれですけど、若手の劇団の方ってなかなか2連勝、3連勝できないときもあるんですよね。この前すごくいい公演作ってくださった後、次行くとああちょっと今回はな……。それは僕が好き嫌いもあるかもしれないけど。

【山下】いやいや、それはあると思います。

【森元】ちょっと今回本が遅かったのかなとか、ちょっと演出……、この間はあんなにシャープに演出したけど、俺の体調かな? というときもあったりとかもするんで、だからあと、三鷹のホールはそれまでやっとられた小屋に比べてちょっと大きかったりするんで、僕が家を普通に作っていてすごくちっちゃく空間作ってもいいですよって言うんですけど、やっぱ……、ただいつかおっきなところでお芝居をやることがあったら、こんなふうにしてみたいと思ってたらそれをぶつけてみてくださいとかね。

【山下】それもありますよね。

【森元】それは言うんですけども、だから、とある劇団が三鷹でやった後に本多劇場行かれて、本多だと思ってたんだけど、あれ? 三鷹とあんま変わらないなって思って気持ちが楽になったって言われたときは嬉しかったですね。実は本多劇場よりも三鷹の舞台のほうがちょっと広いぐらいだって。

【山下】そうなんですね。

【森元】三鷹広いんですよ。舞台。

【山下】舞台は広いですよね。

【森元】広い。客席はねえ。

【山下】客席は本田のほうが大きいけど。

【森元】大きいです。だから贅沢な小屋なんで。

【山下】たしかに舞台は大きいですね。

【森元】だからうち、小さな小屋でロングランをやってお客さんに来てもらうっていうのはすごく素敵なことだと思いますけど、ステップしていって本多とかね。そういうところ、あとPARCOさんとかね。そういうところで公演やれるっていうことが目指す方も。どっちでも何の間違いもない。どちらも正しいと思うんですけど、嬉しかったですね。本多行ったけど、観に行って、『ああ、本多劇場進出おめでとう』とか言ったら、『いやあ、三鷹でやれたから本多は気後れしなくて良かったです』って言われた時、あ、それ嬉しいなと思ったぐらいだったんで、そうやって演劇の薗というか、劇団がいい公演をいろんな劇場で作ってもらえたら嬉しいなと思いますね。それで踏み切って始めたという。

【谷】なるほどですね。

【山下】それが2001年の2月から始まったんですね。

【森元】そうですね。その年、2001年2月やって、うち年度っていうので動いてるので、そこだけ同じ年になっちゃってるんですよね。

【谷】そっか10月ですもんね。次がね。

【森元】はい。そこからはもう秋ごろで定着。夏から秋で定着させて、毎年っていう。まあ、だいたい今私でどんなに少ない年でも100本、一番多かった年で190本くらいかな。

【山下】それくらい演劇を観てる!

【森元】観に行かしていただいて、まあその中で良かったなというところとか、脚本と演出と、まあ総合力ですよね。アイデアとかも含めた。で、どこの僕が不勉強なだけかもしれないけどもどこにも似てないなと思う物の評価はすごく高い。でも、どこかの劇団をリスペクトして始めるっていうのはもう普通のことだし。

【山下】ありますよね。

【森元】それはそれでいいと思うんだけど、リスペクトしていったらどっかでそこを超えていく。そこの境目は見ていますね。このてのを作ったら、まだ先輩、あの劇団なんだろうけど、あの先輩のほうがいいもの作ってるから何か粗削りでも光るものがここにあればお呼びしたりとか。

【山下】新しいこととかね。何かあると。

【森元】ありますね。あとは、演出力ってあるとき付いてくることがあると僕は思ってて。

【山下】それは、経験によって付いてきますよね。

【森元】経験ですね。あと、外部にたとえば演出家として演出助手で迎えられて行って勉強したとか、外部の演出をやったときにいろいろもまれる中で、見えたことがあるとか、あと自分の経験則とかで。演出力はとにかく脚本でやっぱりここのこの台詞の角度の線。この台詞だとちょっと弱いですねと思ったときに、『じゃあ、どう書けばいいんですか?』っていうこの答えを求める人はちょっと伸びるのが遅いだろうなと思うんですね。だから、誰にどう言われても『この表現が自分でジャストで、この表現で面白くないっていうんだったらべつにいいです』っていう。

【山下】僕じゃないかなっていう。

【森元】そういう人のほうが伸びる。仮に粗削り、構成力とかいろいろあれでも、台詞が光ってる人は観続ける傾向がありますね。でも、台詞が凡庸だとなかなか伸び……。観続けますけど。だから、あとは1回観てちょっとなと思っても、もしかしたらこの公演は実験的な公演かもしれない。

【山下】ありますよね。それも。分かる。

【森元】すっごく実験的な公演かもしれない。いつものテイストとは全然違って、毎日評判になっているケーキを作ってたんだけど、毎日このケーキを作ってたら自分の中でもあれだから。

【山下】全く違うものを作ることありますよね。分かる。

【森元】違うものを作る。だから、どんなにテイスト違うなと思っても、もう1回は行きますね。

【山下】ちょっと僕はほんとに今回この森元さん2回目はそれをすごく聞きたかったんですけど、まず、森元さんがさっき100本から190本観る。これ、まずそれでそこからいいなと思う人を呼んでくるわけですよね。

【森元】そうですね。

【山下】そのときに最初、どうやって観るのを決めていってるんですか?

【森元】それはね、ほんとにいろんな偶然だと思います。まあ、ある劇場で芝居観たときにチラシ束。チラシ束の中からぶあーっと全体眺める。これはすごくセンスがいいももちろん評価だけど。

【山下】ありますよね。

【森元】逆に五反田団のような手書きの。

【山下】手書きでね。

【森元】あれもひとつのセンスだし。でも、あれの……。

【谷】チラシの力ってでかいですよね。結構ね。

【森元】あの後に似たようなのだとそれは五反田団の亜流かなと思う。

【山下】そうですよね。でも、五反田団しかやってなかったじゃないですか。ああいうチラシを。ああいうの。

【森元】五反田団のあれはひとつのセンスですし。

【山下】しかも1500円で昔観れたじゃないですか。

【森元】まあ、ほんとに五反田団面白い。さっきの。

【山下】面白いですよね。

【森元】作って、五反田団ぽく作っても、五反田団のようにはできないっていう時期がありましたから。すごく五反田団は三鷹でもやっていただきましたけれども、そういうチラシのセンス。それから、あとは三鷹で公演をやっていただいたある劇団が、そしたらそこに役者さんとかいらっしゃって、そうすると打ち上げとかで『またどちらかで公演される時はぜひご連絡ください』って言ったり、お名刺とか差し上げたりするんで、そういう方の中で何人か『今度公演に出ます』っていうことがあると、『あ、その公演存じてます。じゃあ、ぜひ伺いたい』とかいう形でちょっとずつ広がってったりとか。だから、あとはそうですね。CoRichさんがやっておられる今月のを見て、何かやってるかなとか。

【山下】CoRichのサイトからいろいろと。

【森元】まあいろいろネットとかありますし。でも、エゴサーチはかけないようにしようとか思ってて、どの芝居が評判になってるとかっていうことはあんまり耳に入れずに行くようにはしてますね。

【谷】なるほど。自分の信じるところでって感じですよね。

【森元】だから、僕の言い方ではとてもとても東京の日本でやってる、世界でやっている全てのお芝居を観て決めてますなんてとても言えないので。

【山下】それは無理ですよね。

【森元】偶然観に行かしていただいた中から、自分がここがいいなと偶然の縁があったところとだけやってるんで、僕の目が今ここが日本で、東京で一番いい劇団ですとかって思っては全然ない。だから、「何であの劇団選ばないんだ」とか思う人ももちろんいらっしゃるだろうし。

【谷】劇団から売りこみみたいなのはないんですよね?

【森元】売りこみっていうか、公演情報が送られてくることはあります。

【谷】やらせてほしいとか。そういう形でですね。

【森元】今度公演やりますのでっていう。

【谷】『森元さん、やらせてくださいよ』とかそういう形ではないわけですよね。

【森元】『やらせてくださいよ』とか三鷹のほうの、『たとえばだけどどういうふうに選んでおられるんですか?』とか聞かれたことはありますし。

【谷】そういうクエスチョンでくるってことですね。

【森元】あとは、『一度ちょっとお話を聞かせていただきたい』とか、『聞いていただきたい』といった。僕も三鷹がオープンした頃いろんなところに企画書書いて出したら、「結構、三鷹遠いよね」ってけんもほろろになったり、それも仕方ないんですよ。駅からほんとに遠いし、それは私が新宿の駅前でやっていたら違ったでしょうけど。だから、その頃やっぱり悲しかったこともありますから、お話を『ぜひ劇団の紹介をさせてください』って言われたら時間が許す限りはお会いしますね。

【谷】それで森元さんも実際ご覧になってそれでセレクトするっていう形ですね。

【森元】そうですね。だからよく言うのは、『どうやったら選ばれますか?』、『とにかく一度観させていただいてから』。DVDを送っていただくこともあるんですよ。だけど、DVDも拝見するんですけど、DVDですら面白かったとは思うようにしてるんです。DVDで面白くなかったって言ったらほんと失礼だと思ってるんで。劇場の空気感ってあるので。だから今……。

【山下】ありますよね。

【森元】結構配信。

【山下】オンラインの。

【森元】『オンラインあります』って言うけど、初めての劇団は結構観たりとかも、僕は初めてじゃなくても観たりはするんですけど、それですら面白かったとはいうふうに頭の中で置き換えるようにしてて。今回の公演これが面白くなかったとは絶対思わないようにしようとは思ってます。ただ、ちょっといいところがあるなと思ったときに、DVDをお借りするときとかは台詞の角度とかはチェックしたりとかはして、ここは私は不勉強で拝見できていなかったけど前回も前前回もいいもの作ってたんだなとか、総合的に判断してとか。だから、脚本、演出、総合力、アイデアとかオリジナリティとかそういうので線があったとして、全部が超えればもちろんなんですけど、脚本だけ超えたときには勝負。ちょっとお呼びするときありますけど。

【山下】勝負をかけるわけですね。

【森元】そうですね。あとはオリジナリティが頭抜けてるとか。

【山下】ありますよね。

【森元】ときはお呼びしたことありますね。後に出てくるシベリア少女鉄道とか。

【山下】土屋亮一さんですね。

【谷】シベリア少女ですね。

【森元】あとは、これは誰が考えてるの? こんなばかばかしいことみたいな思ってお呼びしたとかね。ああいうのはあったりするんで、そういう感じで観に行くものに関してはありますね。あとは、やっぱりさっき言った前回出ていただいた方からとか。あとはもう送られてくるとか。やっぱりチラシとか多いかもしれないですね。判断は。

【山下】あれですか? このネクストセレクションで僕も初めて観た劇団が多くて、そっからわりとファンになっていったのも多かったんですけども。

【森元】ありがとうございます。

【山下】逆に言うと、もうみんな知ってるメジャーなやつはここへは呼ばないじゃないですか。

【森元】まあ、この枠じゃないっていうことだけですよね。

【山下】ですよね。

【森元】はい。

【山下】そうすると、森元さんはわりとメジャーな劇団のお芝居はあんまり観ないんですか?

【森元】芝居を観に行くコマが限られてるんですよね。

【山下】ですよね。時間が限られている。

【森元】今はいわゆる3人になったんでわりとちょっと変わってくるかなと思うんですけど、さっき言った1人だった頃って劇団が来てるともう全く行けないんですよ。今、休館日月曜日なので今日も収録月曜日ですけど。

【山下】ごめんなさいね。ほんと芝居に行きたかったでしょうけど。

【森元】いえいえ。それと昼、夜入れたりとかね。うまく回せたら3本とか行きますし。とか、だから最初のうちはなかなかコマがなくて今週行けるとしたら木曜の夜と金曜の夜と……。

【山下】ピンポイントになっちゃうね。

【森元】月曜の昼夜って、さあどうするって言って、行きたい劇団書き出して、うわー7つあるとか。

【山下】絞らないといけないですもんね。

【森元】ときに、わりともう評価が定まってるというか。

【山下】メジャーな劇団は。

【森元】大きな劇団とか、あとプロデュース公演とか、あとはこの公演で解散という劇団とかは観たいんだけど落ちていく可能性がある。

【山下】後で……。だから、ネクストセレクションのためにっていうこともあるわけですよね。それは。

【森元】そうですね。だから、ものすごい著名な劇団と、観たことないけどちょっと気になるな……。こっちかみたいなのは。

【谷】後者になるわけですね。

【森元】後者にね。こっちの当日券並ぶかこっちの当日券並ぶかどっちどっちどっち……。

【谷】やっぱり当日券が多くなっちゃうんですか?

【森元】なりますよね。あとまあ、そうですね……。早くても1週間……。

【山下】前の週。

【森元】なかなかスケジュールが決まらないんで。

【谷】それきついですよね。やっぱり有名な公演はやっぱり前もって動かないと難しいですもんね。

【森元】それもあると思うんですよね。

【山下】そうですね。僕並んでましたけどね。思いっきり。

【谷】山下さん並ぶの大好きだからね。

【山下】僕なんかから言うと、逆に劇場に入らせてもらってありがとうございますです。チケットをいただきましてありがとうございます。どこでもいいです。分かりますよね。そんな感じなんですよ。

【森元】だから僕は三鷹の公演だとなんとか、なんとか皆さんに入ってもらいたい。

【山下】三鷹はね。でもね、東京って世界で一番劇団が多い都市って言われてるんですよ。

【森元】そうですか。

【谷】そうなんですよね。

【森元】いいことだと思いますね。

【山下】それは学生劇団が多いからなんですよ。

【森元】逆にいろいろな何て言うんですかね。もともと財力とかそういうのはなくても自分たちの才覚で何とかしてやろうっていう人がたくさん出てきて、その中からまあ残念ながら辞めていく人、残っていく人が出てっていうのはある意味健全だと思います。そういう。

【山下】常に新しいものをどんどんね。

【森元】だから僕は公立ホールで働いてますけど、民間劇場へのリスペクトは絶対忘れないようにと思ってます。本多グループもしかり、王子小劇場もしかり。

【山下】王子小劇場ね。花まる学習会。

【森元】すみません。名前は挙げてないと失礼に当たるようなところがたくさんあります。シアター風姿花伝さんもそうだし、あとどっかもあります。そういう民間劇場のわりと小さい小屋で頑張っておられるところに観に行かしてもらって『三鷹でできませんか?』って言ってるわけだから、そこがないと。

【山下】そういう人たちが絶対出られなくなっちゃいますね。

【森元】それで少しそんなに三鷹は全然いい条件じゃない、申し訳ないなっていう熱意だけで来ていただいてると思っていますが、それでもある程度の条件をお出しするので。民間の方はほんとにさらにそこで利益も産まなければいけないし。

【谷】それはそうですよね。

【森元】だから、民間劇場の方のご努力というか、そういうものに関してはほんとに経緯を評してリスペクトしてますね。東京以外もね。

【山下】さっき谷さんがちょっと質問されてたと思うんですが。

【森元】東京以外も可能なら行ける。

【谷】足を運んで。

【森元】ただ、どうしても気になって、前回は東京公演があった。観に行ったらいいところがあった。この次の公演を期待してる。あ、今回大阪だけかと。

【山下】そっか。大阪だけ。関西の劇団もありますからね。

【森元】関西の劇団とか。

【山下】iakuも関西ですよね。

【森元】でも、iakuはもう横山さん自身は東京来てから作った。

【谷】出てきちゃってますからね。

【山下】そうなんですね。

【森元】もともと大阪のそれこそ大阪芸大の出身なんで。

【山下】横山さん大阪芸大なんですね。

【森元】そうなんですよ。

【山下】大阪弁ですもんね。

【森元】大阪芸大で「売込隊ビーム」って。

【山下】知らないです。

【森元】やっておられて。

【山下】売込隊ビーム。

【森元】売込隊ビームは東京にも来てて、それも観たことはあるんですけれども。そこを横山さんが抜けられてiakuって東京で。

【山下】そうなんですね。

【森元】はい。池袋にある小さな、もう今なくなっちゃった劇場でおやりになってて。いい芝居を「エダニク」やられてて。

【山下】「エダニク」三鷹で初めてみました。すごく良かった。面白かったな。

【森元】そうですか。いい芝居作られるなと思ったんで。『今お客さん今回何人ぐらいですか?』って聞いたら『150』って言われたんですよ。

【山下】それは制作の人か何かに。

【森元】横山さん自身と終わった後にね。終わった後……。ごめんなさい。当時はできましたから。今はできませんけど。だから『150人ぐらいなんですよね』って言われたんだけど、私の中でいい芝居やってるから呼ぼうと。でも、そこで私がねじがちょっと飛んでるかもしれないのは『2週間やりましょう』って言っちゃうんですよね。150なのにっていう。

【山下】逆に横山さんは『え?』ってびっくりしたかもしれない。

【森元】かもしれないです。それはだからほんとにご迷惑かけるかもしれないんですよ。ただ、僕の中ではいい芝居やっていて後ろに向かってどんどん伸びていかないかなと思うので。だから作りは小さく。うちのホールはどうとでもなるんで。なので、小さく作ってもらって構わないんで長くやったほうがまあサッカーも練習だけじゃなくて試合もたくさんやったほうが伸びるとか。

【谷】それはそうですよね。

【山下】あと、後半口コミで伸びるみたいな。

【森元】そうなんです。そこです。一番はとにかくそこなんですよ。

【山下】それを駆け出しの……。

【森元】だからそういうところはちょっと僕の中では無謀かもしれないんですけど。初期は違ったんですけど途中からは結構もう『2週間やりましょう』っていうのが普通になっていったんです。

【山下】でも、これって演劇愛を持っている人の劇団に向けた支援みたいな感じかな。公共劇場としての。すごいなこれは。

【森元】そうですかね。だから僕は変な話、もう不文律と無邪気さだけでやってるんで。誰かにこうしなさいって言われたわけじゃないんで。

【山下】20年それが続きません。普通の人は。すごいと思います。

【森元】そんな感じです。だから……。

【山下】ということは、今だと水戸とか静岡とかいろんなところでやってます。関西とかも時々遠征とかは。

【森元】そうですね。行くのは大阪とか京都。

【山下】大阪、京都。

【森元】名古屋とかですかね。

【山下】名古屋も何か面白い劇団あるんですか?

【森元】ありますよ。「オイスターズ」さんとか名古屋の劇団。ここはほんとにいいと思う。僕は好きですね。その後御縁まだ作れてないですけど、オイスターズさんはほんとにシュールでいろんな方が評価して。一時期いろんな演劇の賞とか結構平塚さんが総なめにしてたこととかあったりしますよね。

【山下】関西とか名古屋の劇団の公演の情報とかってどうやって入手するんですか?

【森元】でも、やっぱり最初は東京にいらしたときが多いです。

【山下】それは東京公演を観てからってことですか?

【森元】そうですそうです。

【山下】なるほど。

【森元】だからなかなか地方の劇団の、地方でしかやらない芝居に足を運ぶところまで手が回らないんですよ。というのも東京で観に行けない公演がたくさんあるから。

【谷】そうですよね。

【森元】だけど、その中でたとえばアゴラさんが上演されてる。それから手打ちで本多グループでやられる。あと、王子小劇場さん。上演されるそういうときに、あ、これ関西の劇団なんだなと。そしたらちょっと行ってみようか。時間が許したらなんですよ。

【山下】なるほど。

【森元】ほんとに第1回公演から偶然ずっと観れている劇団もあれば。

【山下】あるんですか。

【森元】ありますあります。

【山下】えー、すごいですね!

【森元】ありますけど、逆に第1回のときからチラシとか送っていただいて「今度公演ありますんで宜しければぜひ観に来てください」ってご紹介もいただいてるのに、うわ、ちょっと公演があるから……。

【山下】スケジュールが合わない。

【森元】第2回公演こっちが調べたらあーまた無理とか。うわ、ここいつ御縁できるんだろうみたいな劇団もありますね。だから、これ僕なかなか言えないんですけど、月曜日にこぼしてもらえると嬉しかったです。

【山下】あ、そっか。月曜日は休館日だから。

【森元】そうなんですよ。木、金、土、日だとうちと丸かぶりだと身動き取れないんですよね。

【山下】なるほどね。最近月曜日の昼の公演だけやってっていうのも時々ありますよね。

【森元】嬉しいんですよ。

【谷】あります、あります。

【森元】べつに僕のためになんて言えないんですけど。ほんと観に行きたいなと思う劇団があったらスケジュール見て、あ、月曜の昼がある! みたいな感じで。

【山下】なるほど。月曜の夜とか。

【森元】月曜の夜とか。それは。

【山下】なるほど。

【谷】嬉しいですよね。

【森元】嬉しい。それは個人的な問題ですけどね。

【山下】分かります分かります。

【森元】個人としてはそういうのはあったりします。だからそれで観させてもらってあ、いいとこあるな。次の公演楽しみにして、それぞれいろんなご事情がおありになるでしょうから。

【谷】それはそうですよね。

【森元】今回は地元だけっていうときになんとかちょっと観ときたいんでと思って。

【谷】足伸ばすわけですよね。

【森元】大阪日帰りとか。

【山下】大変ですね。

【森元】もうだいぶ歳なんでね、大阪日帰りとかするとだいぶ疲れる。

【谷】そうですよね。

 テキスト起こし@ブラインドライターズ
 (http://blindwriters.co.jp/)
担当者:小林 芽以
ご依頼ありがとうございます。私自信四国の演劇をやっている大学出身なのですが、演劇という言葉はなじみ深く、懐かしい思いで起こしていました。しかし、演劇を観に行くことはほとんどなく、今回起こさせていただく中でもう一度演劇を観たいな。触れてみたいなと感じました。

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