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【PODCAST書き起こし】オフィスエムズの加藤浩さんに和田尚久さん、三浦知之さんが落語会と寄席などについて聴いてみた(全5回)その3

【PODCAST書き起こし】オフィスエムズの加藤浩さんに和田尚久さん、三浦知之さんが落語会と寄席などについて聴いてみた(全5回)その3

【和田】たとえば、オフィスエムズが落語の会をいっぱいやっているじゃないですか。そうすると、エムズが育てた人というか、エムズ客みたいなのがいるわけですか?

【加藤】いますね。

【和田】そういうことですよね。

【加藤】私も強制的に、「これは来い!」と言いますから。チケットを買うときに私がじかに取ったりすると、加藤さんのところはいつも良質な会をやってねって。でも加藤さん、すごい上から目線だし、感じが悪いとかって。だから信用をなくすんですよ、みたいなことをお客さんは言いますよ。

【和田】なんですか、それは。

【加藤】そんな人、いっぱいいますからね。

【三浦】そんなこと言うって、お客さんのほうが上からじゃないですか。

【加藤】あんたの来る会はメジャーな会で、みいちゃんはあちゃんが来るような会だから、これは良質な会じゃないよ、あんたが来ない会が良質な会だって。こっち来い! って、お客さんとけんかになったりしました。

【三浦】おもしろい、本当ですか?
お客さんとしては、それで褒めたつもりが足元をすくわれたみたいな感じですよね。

【加藤】でも、あんたの会なんて二度と来ないなんて言う人は、たくさんいますよ。でも、そういう人は、毎回来てくれますけどね。

【和田】素朴な疑問なんですけど、会の主催者はたとえば○○独演会とか○○二人会をやったとすると、その出ている人って、個人的に最低限好きなのか、あるいは、別にこの人のこと好きじゃない。だけど事務所としてやりますよっていう判断もあるんですか?

【加藤】小さな声で言います。あります。

【和田】やっぱりね、それがプロですよね。そういうことですよね。

【加藤】そうです。道楽ではだめでしょう。現実的に6割もうけないとだめだと。これは、もうからないとプロじゃないよ、本当に。

【和田・三浦】そうですよね。

【加藤】私、プログラムも書きます。ずらっと、これはいい。お客さん、ぜひこれは来てください。
最後に1行、私の好みとは違いますと。

【三浦】書いてありますね。

【和田】なるほどね。

【加藤】私よく、それ書きます。勘違いしないでくれと。私、別にこの人を好きで言っているんじゃないと。

【三浦】チケット発売のメールをいただくときも、熱い推薦文のときと、そうじゃないときがありますものね。

【和田】なるほど。

【加藤】これ来いよと。ほかはいいから、これ来いよと。俺は、このためにやっているんだっていう会があるんだけれど、残念ながらそういう会には来ない、お客さんは。志の輔、一之輔、談志に行きますよ。しょうがないね。それは私のエゴだから。

【和田】今の話はすごくよくて、まず好き嫌いと、事務所なりプロダクションとして、でもこれ6割の側だからやっておかなきゃなっていう部分もあるし、あるいは今、この人のことを、そんなに買わないけど投資みたいな意味で、やっておきたいなと。つまり、花開くときまでを逆算してっていう判断もあるだろうし、そこが最初から好きな人だけよるよっていうふうにならないのがいいし、逆に言うと素人主催者は、それでもいいのかもしれない。それが素人の特権なのかもしれません。

【三浦】そうですね。素人だったら、好きな聞きたい人を呼んで……。

【和田】素人で嫌いな人をわざわざ呼ぶというのは、意味がちょっと難しいので、それは、しなくていいと思うんですけども。
それからね、僕は談志師匠、米朝師匠、5代目圓楽師匠なんかに付いて回った課題だと思うんですけれども、つまり東京の寄席っていうのは、昔の演芸場から何から、300人ぐらいのキャパシティで戦前からやっているわけですよ。

【三浦】今、300も入るんでしたっけ?

【和田】新宿とか浅草でも300は入りますけれども、それが、たとえば米朝師匠、圓楽師匠、談志師匠というのは1000人の所でやったり、もっと大きな1500人の所でやったりするようになると。すると、たとえば亡くなった川戸貞吉さんみたいな人が指摘していたのは、大きな所ばっかりでやるようになると、間も大箱用になる。つまり、鈍くなっちゃうといったらいいのか、大きくなっちゃうので、それ用の芸になると。その寄席本来の部分が、ちょっと損なわれるかもねってなことをおっしゃっていたんですよ。
でもその一方で、いや、ここでいろんな人たちを取り込んで見せることに意義があるんだろうという考え方もあるとは思うの。その大箱の功罪みたいなのは、どうでしょう。

【加藤】それは、ありますよ。私も好き嫌いは別に、大箱の会をやった場合、この人を入れたいっていう人、いますよ。だけど、この師匠はちょっと大箱じゃないんだ。これでもね、大箱じゃないんですよ。入れたい人はいくらでもいるんだけど、それは大箱用のプログラムになります。

【和田】なるほど。そこで映える人?

【加藤】はい、そうです。

【和田】それと、たとえば大箱ばっかりでずっと回していた場合に、やっぱり芸がそっち寄りになっちゃうっていうこと、ありますからね。

【加藤】ありますね。

【和田】そういうシフトというか、それ仕様になっちゃっているというか。

【加藤】オンタク(?)師匠は、よくそういうことを言っていますよね。これは300の芸人だ。俺は、500でも300でも100でもいける。

【三浦】なるほど。この師匠はどうですか。

【加藤】100。その人は500もいけるよ、今は100しかやっていないけど。そういう基準があるんでしょうね。

【和田】なるほどね。
たとえば、100の人を500に乗っけちゃうと、負けちゃう?

【加藤】負けちゃうね。でも、まあ聞こえないっていうのもあるけどね。

【和田】それもありますね。
あと、小三治さんが「落語家論」という本を出していて、その本の中で、寄席に出ていた芸人が寄席に出なくなると、絶対に芸は荒れるって書いているんです。具体的に言うと、談志師匠とか圓楽師匠も、そういうふうになったわけですよ。ざっくり言ってしまうと、ホールばっかりで回るようになる。そうすると小三治師匠は、名指しはしていないんだけれども、鈍るって言いたいのかな、とも思うんだけど。

【三浦】それは毎日やらないから、みたいなことなんですか。

【和田】通りすがりの人ばっかりを相手にするようになってしまう、というふうな書き方もしていますね。

【三浦】ホールだと?

【和田】ホールだと。だから、寄席が自分のホーム、家みたいな感じになるんだと思うんですよ。そこがなくなっちゃうから……。

【三浦】いつも来てくれる人がけっこういて。通りすがりか。

【和田】ということなのかな、と思うんだけど。そう言うわりに小三治さん、寄席とか、ほぼ出ていないんですけどね。ちなみに言うと、志ん朝さんもあんまり出ていなかったですよね。

【三浦】そうですか。

【加藤】志ん朝師匠、でもまあ、全盛期は出ていた。それが、芸協さんと落語協会の違いで、落語協会は売れっ子がよく出ましたね。

【和田】そうですか。

【加藤】三平さんなんかは、あれだけレギュラーがあるのに合間を縫って、寄席は休みなく必ず出てます。談志師匠も志ん朝師匠も、けっこう出ていました。

【和田】談志師匠は、よく出ていますね。志ん朝師匠も出ているんだけど、何というか今のさん喬・権太楼、あの人たちはずっと出ているじゃないですか。

【三浦】ずっと出ていますね。あれだけホールを満員にできる人たちが、普通に寄席に、それも昼席のトリを取っていたりすることもありますものね。

【和田】普通にありますよね。

【三浦】そうか。べつに寄席って昼・夜の区別はないわけですよね。どっちも……。

【加藤】土曜、日曜日はお昼にあったりすると、けっこうおいしい仕事だね。

【三浦】そうか、昼にやると、また夜もできたりするっていうのもありますよね。

【加藤】そうですね。

【和田】話を戻すと、その大きな所でずっと回っている人は、そういう芸になっちゃうよっていう意見については、どう感じていますか。

【三浦】いや、その大きな所でやっている人たちのを、寄席で見たり聞いたりっていうのがあまり最近ないので、ちょっとその比較はどうなんでしょう?

【加藤】たとえば志の輔師匠ってこと?

【和田】志の輔さんなんかの場合は、そもそもがホール育ちですよね。でも、たとえて言うと、談志師匠、圓楽師匠とか、上方でいうと米朝師匠がそうだと思うんですけど、でも上方って、みんなそうだといえばそうですよね。寄席の300、つまり末廣亭みたいな空間で、そもそもやっていないわけで、だから、そういう意見もあるんだとも思うし、そうでもないのかな、という気も私はするんだけど。だから理想を言うと、今のさん喬・権太楼とか雲助みたいに、やっぱり両刀使いで、権太楼師匠が言うように、500なら500の所でもできちゃうというのが、すごくいいと思います。

【加藤】こないだ、小里ん師匠の「夏泥」。私、久しぶりに見いっちゃったよ。あの地味な師匠ですけどね。泥棒とそこの主人のたわいもない会話ですよ。私、歯をみがいていて、立ってずっとこれを見ていたの。

【三浦】それは、加藤さんの会のときですか。

【加藤】いや、放送でね、落語研究会だった。

【三浦】テレビをご覧になっていて。

【加藤】何げなく、朝だし立って見る。普通落語ってこうでしょう。立ってこう……。そんなことがあるのかなって、これぐらいの芸が、会話もたわいもない話ですよ。

【和田】小里ん師匠は「夏泥」が代表作ですよね。泥棒話ってたいてい内容がないんだけど、あの中でもね、いいですよね。

【加藤】あまりにも内容がなくて。

【和田】おかずが食べたいってね、おかず代くれって言うんですよ。最初は泥棒がご飯が食えないって言ってたんですよ。でもその後、じゃあ、わかったよって、おかず代もくださいって。

【加藤】そういうフレーズがいいね。

【和田】いいですよね。

【三浦】本来そういうところが落語のいいところなんですよね。

【加藤】それが本来なんだけど、私の中では今とこのギャップがある。

【三浦】立派な話をちゃんと長くやるのがいいという、少しそういう風潮はありますよね。

【和田】そうか、小里ん師匠、僕はその放送は見なかったけど、研究会で収録したわけですよね。それはすごくいい話ですよね。

【加藤】びっくりしちゃったな。つまりそういうのは、私が理想的で好きで、今の風潮があって、ものすごくきらびやかな刺激をみんなに与えて楽しくて、というのがあって。本来は私、そこが好きなんだ。
落語プロデューサーという、寄席の席亭という仕事を今していて、でもプロフェッショナルだから、和田さんに言ったよね、「金もうけのためにやりますよ」と。

【三浦】プロフェッショナルですものね。

【加藤】だけど、それをずっとやりながら、これ聞かせたいよな、こっちが本当なんだよなっていうのを……。

【和田】具体的に言うと、加藤さんは、今は、春輔師匠とか小里ん師匠がいいよっていう。

【加藤】そうです。だから和田さんがやっていた、らくだ亭、出していいの、あの話。

【和田】らくだ亭、まだやっているんだけど、コロナでお休みしているんですよ。

【加藤】あのらくだ亭を、もう少し自分の好みに変えるのが、

今、特選落語集っていう日本橋劇場で2カ月に1回、これは私のライフワークですよ。一朝、小満ん、雲助、春輔師匠、小里ん師匠だろうね、
あの当時、花形落語会で活躍した師匠方を呼んで、ネタを私が生意気にも、40年やってきて初めてネタ出しをやれたの。

【和田】僕は行けなくてすごく残念だったんだけど、小満ん師匠が「水中の玉」というのをされて、あれはあの師匠に絶対に合うし、私は、これを並べたのはすごいと思う。めちゃいいチョイスだなと思いますよ。
僕はね、すごく僭越なんだけど、自分がプロデュースっていったら大げさなんだけど、光を当てたいなと思っているのが柳家小袁治師匠。小袁治師匠が、僕はすごく好きで、もっと評価されてもいいのになと思っているんです。さっき言った小里ん師匠よりも、ちょっと兄弟子なんですけど、

【三浦】じゃあ、けっこう年配ですよね。

【和田】70ちょいぐらいかな。古参の中で、すごい静かな落語のよさがあるんですよね。池袋で年に3回開催されていて、僕も手伝いに行っているんですけれども、

【三浦】池袋って演芸場?

【和田】演芸場の夜、独演会をやる枠があって、そこでされているんだけど、

【三浦】それは、いわゆる31日とかの会ですか。

【和田】ではなくて、下席がその日ごとに夜はフリーみたいな枠になっていて、小袁治師匠なんかは、らくだ亭も何回か出てもらったんですけれども、結局ほかの研究会やら何やらっていう人が、全然目を付けていないんで、だから僕がやりたいなと思っている方なんですよね。それとか、さっきおっしゃった彦六師匠とか春輔師匠とか、そうですよね。小ゑん師匠かさん遊さんですよね。小里ん・小燕枝はね、前から存在感は普通にある方たちなんだけど、

【加藤】南喬師匠なんか、どうしてみようかな。

【和田】南喬師匠ね。南喬師匠も僕いいと思います。

【加藤】そうやって言えば、数人いるでしょう。この人は使わなくちゃだめだっていう人が、たしかに数人はいるはずです。

【和田】南喬師匠って、今年は寄席に出られていないんですって。こないだちらっと聞いたら、コロナの関係で、ご本人があまり出歩きたくないということらしいんですけど。
前の3代目の金馬師匠のお弟子さんになるのかな。12歳ぐらいで入門しているので、そのとき子どもだったんですよ。住み込みで。

【加藤】子どものころからの入門ですからね。南喬師匠はね、私、寄席に行って全く裏切られた体験のない師匠ですね。今日は来てよかったって。
少し若いけど扇遊師匠。ちょっと世代は若くなるけど寄席に行って裏切られたことないね。

【和田】あの、右朝さんてどうでした? 好きでした?

【加藤】そうでしょう。そりゃもう好きでしたね、古今亭右朝。

【和田】私も好きでした。志ん八っていっていたんですけど、あの方が生きていたら、本当に志ん朝さんの穴が埋まったと思うんですよ。志ん朝さんの穴が埋まったって言うと、志ん朝ファンが右朝で埋まるわけないだろうっていうふうに多分言うと思うんだけど、僕はこれマジで言っていて。志ん朝さんて、お亡くなりになったのはすごく残念だし早すぎたと思いますけれども、もうあの時点でやっていることは完結していたという印象があるんですよ。あそこから変わったんだったらすばらしいんだけど、それはまだ未知数だったんですよ。右朝さんは本当に未来があった。あの方が生きてたらな、と思うんですけどね。

【加藤】なんか本当に、落語の神様は、こういう落語界のエースを全部持っていっちゃうんですよ。右朝、喜多八。向こうでいうと大阪で吉朝、松葉。

【三浦】喜多八さんも、けっこう若かったですからね。

【加藤】そうですね、喜多八、右朝なんていたら、変わっていましたね。
草柳さんが、右朝さんのCDを出しますよ。研精会という会をやっていて、そこで録音をして。

【和田】右朝さんはね、評価もあったし、近年いた人なので音はいっぱいあるんですよ。今、キントトレコードというところがそれを出して、

【三浦】キントトレコード?

【和田】はい、そこで4枚。

【加藤】ちょっとマニアックなね、マニアックなのがその人たちも好きなんだね。

【三浦】その人たちは、その落語会をやるとかじゃなくて、どちらかというと音源を出す人たち?

【加藤】草柳さんは、エンジニアでしょう?

【和田】エンジニアですね。だから僕もいつも頼んでいますけど、録音をしたり、あと古い、たとえばこないだの馬生全集もそうなんだけど、東横劇場でとった音が6ミリテープであります。それをリマスターして、聞きやすくして世に出すみたいなことをやっていらっしゃる方なんですけれども、すごいマニアで。
草柳さんに談志師匠を紹介したのは僕なんです。そうしたら談志師匠、こんな奴いるのかってすごい気に入って。

【加藤】談志師匠に、「今日はだめだな」って言うんですよ。

【和田】そうそう。

【加藤】本当のことを言うから、談志師匠もそういうのが好きだから。

【三浦】へぇー。

【和田】そうだよね、あれは草柳さんのキャラでないとなかなかできない芸当ですよね。
……そうだね。談志師匠、袖にかえってきて「今日はだめだな」と言ったりとか、自分でいいと思っているときは、談志師匠のほうから話しかけてくるって、草柳さんが言っていましたね。

【加藤】「そんなことありません、今日はけっこうでしたよ、師匠」っていうのはだめだね。草柳さんみたいに、はっきり言ったほうがいい。
私も「芝浜」のとき、談志師匠に「あんなのだめだ」って言ったの。それで私、気に入られちゃった。あんたのことは信用しているよって。まあ私は、つながりは歌謡曲ですけれども。

【和田】歌謡曲ね。僕は、談志師匠に「艶歌」っていう店があるから連れてくよ、とか言われたんだけど、僕は連れていっていただいたことないんですけれども、それは多分、こいつ歌謡曲なんかピンときてないなってことがばれてたので。そこで加藤さんとかハヤシダとかイシダさんとか、あの辺の人と行っていたわけでしょう?

【加藤】そうです。2週間に1回ぐらい声がかかって、その店で待ち合わせて行くわけです。談志師匠は、銀座は「美弥」でしょう、あそこは打ち上げかなにかで。
この「艶歌」という店へ行くときは、なんかこう……。慎太郎さんが言ってみえていたけど、美弥から帰ってくるときは楽しそうだけど、「艶歌」から帰ってくると、昭和のノスタルジーというか、落ち込んでくるって。

【三浦】「艶歌」って、どこにあるんですか。

【加藤】中野坂上にありました。SPレコードもいっぱいありましたね。談志師匠は詳しいから、誰々のあの曲って言うと、出してきて。

【三浦】そこでは、昭和歌謡を聞きまくる感じですか。

【加藤】そうですね。

【和田】談志師匠って、歌謡曲の中で、いわゆるちゃんとした曲がお好きなんですか。

【加藤】落語でいうと「やかん」とか「牛ほめ」とか、そう言うとわかりやすいでしょう。軽いのがいいの。ひばりさんの「悲しい酒」とかみたいにドラマチックな泣かせるような、そういうのはだめなんです。お気楽でね、詞の内容も単純なのが好きですね。

【和田】どんな芸人でも、ピークのときと、落ちたり、最晩年がピークという人もいるけれども、僕ね、すごく記憶に残っているのは、三橋美智也さんが亡くなったときに、大歌手だからNHKがニュースで流したわけですよ。三橋美智也さんがお亡くなりになりました、何やかやと。そのときに流したVTRが、ぼろぼろになっているときの三橋美智也を流してるって、ひどいって。その後がおもしろいのは、悪意すらないって。だから、何の判断もなく選んでいるんです。三橋美智也のわざと悪い出来を流してやるぜ、というのなら、まだわかるんだけど、それすらもないと。あいつら何にも知らないんだって言って、すごく怒っていたんですよ。僕は三橋美智也さんを知っているけれども、世代的にも知っている程度のあれなんだけれども、なんか、あーっていう、あんなにマジで言ってたっていうのも含めて印象深いなと。

【三浦】NHKだったら、三橋美智也の流せそうなものが、たくさんあるわけですよね。

【和田】あとはその話で、談志師匠が芸の全盛とかだめになったっていうのを、どう考えているかっていうのも、そのときに見えたんですよ。「三橋さんが亡くなったって言って、あのビデオを流すのはいかんだろう」っておっしゃっていて、それはすごく感じたな。

【三浦】だから、いちばん最初に見つかったものをそのまま流したみたいな……

【和田】でしょうね、その担当者は。

【加藤】悪意すらないというね。

 テキスト起こし@ブラインドライターズ
 (http://blindwriters.co.jp/)

担当:N.Yamabe_BW
ご依頼いただき、ありがとうございました。
テクノロジーで芸の伝承がおこなわれているお話を
大変興味深く拝聴しました。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。


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