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杉並区の中学校でワークショップやってきました!


はじめに

 こんにちは、Braillies(ブレイリーず)です!今回は7月上旬に杉並区にある私立中学校にてワークショップを行なってきたので活動の様子をレポートしていきます。この中学校では社会課題活動に力を入れており、今回のワークショップでは中学2年生を対象に「インクルーシブを学ぶ」を大きなトピックとして掲げてありました。そこでBrailliesは視覚障害について知ることを通して「みんなが一緒に生きやすい社会を生きるためにはどのようなことが必要か?」、「学生である自分たちにできることは何だろう?」、「もし学校の友達で視覚に障害がある子がいたらどうする?」といった様々な疑問を投げかけ、みんなで学びを深めていきました。

講義の様子。ゆいながスライドを使ってみんなに説明をしている
みなさん真剣な様子で話を聞いてくださいました

講義の様子

 今回はみんなの学びを可視化できるようにするために模造紙と付箋を活用してみました。はじめに何も説明していない状態で生徒の皆さんには「視覚障害」や「視覚に障害がある人」に対するイメージや知っていることを黄色い付箋に書いてもらいました。書いた内容をシェアしてみると「白杖」や「盲導犬」、「点字」、「点字ブロック」など視覚に障害がある人たちがツールとして使用しているものを沢山あげてくれました。また他には「大変そう」記憶力がよさそう」など漠然としたイメージもあげてくれました。さて、ワークショップを通してみんなの考えはどう変化していったのでしょうか?

模造紙に付箋を貼っている様子

点字体験の様子

 まず点字について少し説明をし、早速点字をうつ体験をしてもらいました。順番を待っている間は私が高校時代に使用していた点字の教科書や拡大教科書、ルーペや触って分かる点字の絵本など様々なグッズに触れてもらっていました。みんな初めて見る道具や教科書に興味津々な様子。

点字を一生懸命打っている生徒さん。点字表を見ながら簡易点字盤で打っている

点字をうつ体験をしている子も体験を通して「書く時と読むときとでは鏡文字になるんだ!」、「母音と子音が組み合わさっているんだ!」、「濁点の時は1マスだと表せないから2ます使うのかな?」など多くの発見や疑問であふれていました。中には点字表を見ながら暗号づくりに励んでいる生徒さんや自分の好きなことを点字で書いて持ってきてくれた生徒さんもいました。この体験を通して点字がどのような役割を果たしているのか考えたりより身近な文字として感じられた李した時間になったのではないかと思います。

白杖歩行体験の様子

 次に生徒の皆さんに体験してもらったのは白杖を使った歩行です。体験中はBrailliesのメンバーが改良してくれたロービジョンキッドを装着してもらい、視野狭窄や中心暗転、白濁など複数の見えにくさの中で普段使用している廊下を歩いてみました。廊下には点字ブロックをしき、普段あまり目にとめない点字ブロックは街中でどのような役割を果たしているのかもみんなで考えてみました。

さらに廊下の壁には視覚障害に関するクイズも用意し、歩行体験しながらクイズにもチャレンジしてもらいました。クイズの紙は問題ごとにそれぞれ異なるフォントや文字のポイント数、コントラストを印刷し、どのような文字または色が見えやすかったかも考えてみました。体験後はワークショップを通じて気づいたことや社会で課題になっていそうなことなど思い浮かんだことを水色の付箋に沢山書いて意見をシェアしました。「声掛けがあるかないかで不安の大きさもだいぶ違うことが分かった」という声や「点字ブロックや白杖は命!点字ブロックに物が置いてあったらどかさないと」など今後のアクションに繋がる気づきを得てくれたことが伝わるコメントが沢山ありました。

アテンド(隣を歩いてサポートする人)も体験してもらいました!

ワークショップのまとめ

 最後まとめに入る前に最初と全く同じ質問を問いかけ、その答えをピンク色の付箋に書いてもらいました。視覚障害について、または視覚に障害がある人についてもっているイメージや知っていることにワークショップの前後でどのような違いが生まれるか比較するためです。実際に、「見えにくいなりの対処がある」や「大変なことに変わりはないけど助けがあった方が楽」、「いつも簡単にできることが難しくなり大変だった」、「障害に沿ったサポートが必要」、「視覚障害=全盲だと思ってたけど違うことがわかった」などワークショップを通して視覚障害や視覚に障害がある人へのイメージが具体化されたり考え方に変化が生まれていた李それぞれに学びがあることがうかがえました。

模造紙には、大きな花が二つデザインされていて、真ん中には黄色の付箋、花びらはピンクの付箋、花の周りには水色の付箋が貼られています。
模造紙は、気づきの花というテーマでデザインしました。最初の時点でみんなが知っていたことを「つぼみ」とし、ワークショップでみんなが思ったことが「栄養」となって、気づきの花が開花しました。

この模造紙では最初にも述べたようにみんなの学びを言語化するというかたちでアウトプットし、学びを可視化させ今後のアクションに繋げることを狙いとして活用しました。コンセプトは最初に視覚障害についてのイメージを書いてもらった黄色い付箋がつぼみで、そこにワークショップ体験での気づきを水色の付箋で雨として降らせ、最後に新しい発見や学びがピンクの付箋で花開くといった感じです。同じワークショップを受けても感じること気づくことは生徒さんによって異なるため「気づきの花」でお互いに学びを深められたのではないかなと思います。今回のワークショップはインクルーシブについて考える切り口の一つでしかありませんが、生徒さんたちにはこの経験をきっかけとして様々な角度から社会をみて、インクルーシブな社会を実現するために必要なことを考えていってほしいと思います。

ゆいなが生徒さん達と話している様子
模造紙をはみ出しそうな程の付箋の量!たくさんの気づきがありました。

終わりに

 打ち合わせの段階からどんな角度でワークショップを行なえば自発的に参加してもらえるプログラムになるだろうかとBrailliesメンバーや担当者の方たちと沢山話し合っていたため、当日は生徒さんにきちんと学びや発見を持って帰ってもらえたことがとても嬉しかったです。このような学びの輪が広がっていくことがインクルーシブな社会に近づく第一歩にもなると思うので、これからもBrailliesとして私たちが届けられるものを沢山発信していきたいと思います。そして、若い子たちが一歩踏み出して自分が生き生きする活動と出会えるきっかけ作りができたらなと思っています。

ブレイリーズのグッズをお土産としてプレゼントしました!

是非、この記事を読んでワークショップに興味が湧いた方、学校関係者の方などはお気軽にBrailliesのインスタグラムもしくはGmailにお問い合わせください。今回も最後まで読んで下さりありがとうございました!

Braillies ゆいな

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